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顕微操作を駆使して受精の神秘に迫り、遺伝資源を保存・再生・活用する!

哺乳類における受精生理の解明と遺伝資源の保存・再生に取り組んでいる保地研究室。これまでにマウス、ラット、ウサギ、ネコ、ウマ、バッファロー、ウシ、クジラ、ヒトに至る動物種の配偶子 (精子・卵子) を扱い、約100編の学術論文を公表しています。得意技は、未受精卵子や受精卵 (胚) の新しい凍結保存法である「ガラス化技術」と高倍率の顕微鏡下で配偶子を操る「顕微操作」。マイクロマニピュレーターを駆使すれば受精シーンを再現した胚の作出だけでなく、クローン動物や遺伝子改変動物の創出も可能になるそうです。

 

 
直径100ミクロンの卵子も数ミクロンの精子も顕微鏡下で操作 (左)。受精直後から精子中心体を基点にして微小管繊維網が発達 (右)。   ラット精子頭部は釣り針状の形をしているため注入操作は困難だったが、今ではフリーズドライ精子に適用できるまで改良された。

 

≪研究から広がる未来≫


顕微授精技術や体細胞核移植技術の確立は、細胞の「生」の定義を「ゲノムDNAが保存されていること」だけに集約しました。永久凍土に凍結状態あるいはフリーズドライ状態で埋まっている絶滅種、マンモスの生殖細胞・体細胞もこの意味では「生きている」可能性があり、最先端の生殖工学技術の力を借りることで「マンモス復活」の狼煙が揚がるかもしれません。また、再生医療の切り札である多能性幹細胞 (ES細胞・iPS細胞) をラットで樹立しました。これらを機能的な生殖細胞に分化させることができるならば、究極の不妊治療法となることでしょう。