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ベトナム ホーチミン市訪問団がCOI拠点を視察 開発中の透水膜に深い関心

 ベトナム社会主義共和国ホーチミン市の市長に当たるグエン・タン・フォン人民委員会委員長をはじめとする訪問団が4月10日、アクア・イノベーション拠点の取り組みを視察しました。

 ホーチミン市訪問団は長野県との経済分野・人材育成分野でのさらなる交流を推進するため、阿部知事や県内の企業・大学を訪れたもので、フォン委員長のほか、同市共産党委員会やホーチミン市経済大学の関係者など計38名が 信州大学国際科学イノベーションセンター(AICS)を訪れました。

 一行は長野(工学)キャンパスに到着し、満開の桜のもと、しばし記念撮影を楽しんだのち、AICS2階セミナースペースに移動。濱田州博・信州大学長、アクア・イノベーション拠点研究リーダーの遠藤守信・特別特任教授、グローバル教育推進センター長の田中清・副学長(国際交流担当)から、信州大学の取り組みやCOIプロジェクトの概要について説明を受けました。

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 その後、一行は遠藤特別特任教授の案内で研究室を訪れ、塩水が淡水化される様子などを見学しました。
ホーチミン市の都市圏人口は1,000万人を超え、一日当たりの水の使用量は110万トン。水源として川のほかに同市に面した海の水も淡水化して利用していますが、コストがかかるため普及が進まず、コストダウンが課題となっています。
アクア・イノベーション拠点で新たに開発した強靭で耐ファウリング性の高い「多層カーボンナノチューブ(MWCNT)-ポリアミド(PA)ナノ複合RO膜」は、脱塩率・透水性が非常に高く、既存の膜より10~15%コストダウンできるという遠藤特別特任教授の話には訪問団からどよめきが起き、アクア・イノベーション拠点の造水技術への期待と関心をうかがわせました。

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 信州大学では、今回の訪問団との交流をきっかけに、アクア・イノベーション拠点が推進する新しい水循環システムの社会実装や人材育成で、ホーチミン市との連携をさらに深めていきたい考えです。