Class

コース科目 スタートアップ・専用科目

地域活性化システム論

認定科目

前期 金曜日3限

講義の狙い/概要

本授業では、実際に地域・社会で起きているリアル・プロブレム(現実問題)に注目し、その課題解決に取り組む実践者から、シカケ・シクミ・システムを構築するために必要な視点、知識、能力、マインドを学びます。本授業では、担当教員を始め、自治体の職員、メディア関係者、農林業従事者、大学の研究者など様々な人々に話題を提供いただきます。
皆さんは各回のテーマに関して自主学習を行い、その基礎知識を踏まえた上で、講師の話を聞き、問題の確認、原因の分析、解決に必要な視点、必要な要素や方策を考える訓練をします。これからの学問に求められるアクション・リサーチ(理論と実践の循環による研究手法)の基礎を身につけます。

講義のポイント

本授業では、地域・社会を担う一員として、「リアルな社会問題に触れ、解決の方策を創造し、行動する態度」を持った人材を養うことをねらいとしています。超少子高齢・人口減少社会に突入し、社会のあり方は大きく変化していきます。例えば、長野県は全国で村が一番多く、その多くは中山間地域を抱えています。中山間地域コミュニティでは、高齢化率が70%を超え、世帯構成率も2名を下回り、若者がほとんどいないという地域もあります。このような地域では、従来のコミュニティ維持の仕組みが機能しなくなり、生活・文化なども失われる可能性があります。これからどのような未来を描くのか、その未来に対してどのような方策を考え、行動していくのかを我々は決めなければなりません。それは、どこかの誰かではなく、これからの社会を創造する私達一人ひとりに求められていることです。地域・社会の課題は様々にありますが、それらに対する問題意識は学問をする上で重要な動機づけとなります。漠然と大学に来てみたものの「自分は何を目的に学べばいいのだろう」と悩む人、「もっと地域・社会の課題を考えてみたい」「将来の自分の姿(キャリア)を考えて見たい」という人、いずれも歓迎します。一緒に考えていきましょう。

講義スケジュール

第1回 「未来を考える力、視点とは(ガイダンス)」
第2回 「人の認知と価値 心理学・ブランドから考える」
第3回 「課題設定の手法1」
第4回 「課題設定の手法2」
第5回 「そもそも地域課題とは」
第6回 「主体性をもって取り組む」
第7回 「産学連携による社会創造1」
第8回 「産学連携による社会創造2」
第9回 「チームビルディング」
第10 回 「チャレンジのリアル 」
第11回 「ミカタを変える」
第12回 「シカケを考える」
第13回 「自治体と地域課題1」
第14回 「自治体と地域課題2」 
第15回 「総論」※授業評価

この講義の特徴

  1. 決まった解答ではなく、変化する社会を的確に捉え、自らの考えを回答することができるようになる。複雑な問題を分解・整理し、構造を把握し、取り組むべき課題に対して仮説・検証プロセスを設計できるようになる。
  2. 10年、20年、100年先の日本の未来を見据えて、今どのような社会問題に取り組まなければいけないのかを考える視点を獲得することができる。 身近な地域社会の問題を題材として、課題解決に取り組む先駆者達の考えを学び、その一部を演習的に体験することで「学問と社会・地域とのつながりに対する意義」を理解する人材になる。
  3. 本授業を通じて、信州を始めとして、足下の課題やそこにある資源の価値を捉える視点を学ぶことで、普段意識しなかった物事に気づくようになる。本授業で学んだシカケ・シクミ・システムという考え方を活用することで、様々な社会事象を表面的に捉えるのではなく、その意義や仕組みを考えることができるようになる。