真壁秀文教授(信州大学農学部)、藤井博教授、梅澤公二助教(バイオメディカル研究所)らは2012年からの共同研究でブドウや小豆に含まれるエピカテキンオリゴマーにがんの増殖と浸潤を抑制する効果を確認しました。藤井博教授がブドウの抽出物にがん細胞の増殖や転移を抑制する効果がある物質が含まれていることを発見し、真壁秀文教授と梅澤公二助教らとの共同研究でその物質がポリフェノール化合物の一種エピカテキンオリゴマーであると特定しました。

複雑な構造を持つポリフェノールであるエピカテキンオリゴマーを化学合成し、合成したエピカテキンオリゴマーのうち5量体以上の化合物でがんの転移促進遺伝⼦FABP5の発現が抑制され、がん細胞の浸潤も顕著に抑制されることを見出しました。今後は⾷品素材に含まれるエピカテキンオリゴマーからがんの予防法の開発に繋がる研究が期待されます。

また、この研究詳細は2017年8⽉10⽇にNature Publishing Groupの学術誌であるScientific Reportsへオンライン掲載されました。
http://www.nature.com/articles/s41598-017-08059-x


※2017年9月19日の信濃毎日新聞に掲載されました。
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170919/KT170915FTI090001000.php