増木静江准教授(バイオメディカル研究所先端疾患予防学部門)が中心となって進めている「インターバル速歩の参加者を数万人規模に拡大するための携帯端末アプリの開発プロジェクト」が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の平成29年度「IoT等活用生活習慣病行動変容研究事業」に採択されました。8月30日には記者会見が行われました。

本プロジェクトは、能勢博教授(バイオメディカル研究所先端疾患予防学部門)、増木静江准教授らの研究グループが開発したインターバル速歩トレーニング※1と遠隔型個別運動処方システム※2による体力維持・向上事業を、携帯端末アプリの開発によって数万人規模に拡大することを目指すものです。平成31年度には本格的にアプリの運用を開始する予定です。
携帯端末アプリ導入により体力維持、生活習慣病等の予防に効果的であるインターバル速歩の参加者が拡大し、その結果として、医療費の削減が見込まれます。また、参加者が数万人に達すれば、個人の身体特性(年齢、性別、遺伝子背景、形態、体力、健康状態など)をシステムに入力することで、運動継続効果の未来予測を行うことなども可能になり、それを個人にフィードバックすることにより、参加者は自分の運動効果を確認することができます。更に、本アプリ事業を健康食品・機器メーカーの新製品テストベッドに利用することも構想しています。

※1インターバル速歩トレーニング
個人の最大酸素摂取量の70%以上の速歩と40%の緩歩を3分間ずつ交互に繰り返し、1日30分、週4日、5ヶ月間実践するトレーニング方法。体力が最大30%向上、生活習慣病指標が最大80%改善、その結果、医療費が20%削減されることが明らかになっている。

※2遠隔型個別運動処方システム
能勢 博教授らの研究グループは、過去14年間、中高年の健康スポーツ教室「熟年体育大学」を運営し、その経過で「インターバル速歩トレーニング」を開発、その効果について7,300名、遺伝子について2,200名のDBを構築した。


記者会見の様子、左から田中榮司医学部長、能勢博教授、増木静江准教授、中村宗一郎理事、齋藤直人バイオメディカル研究所長

研究について説明する増木静江准教授