【研究案内】進行期乳房外パジェット病の免疫チェックポイント阻害剤の有効性に関する多施設共同後ろ向き研究に参加しています

2025年10月10日

当科は下記の全国疫学調査に協力しております。

当院において乳房外パジェット病で

オプジーボ®もしくはキイトルーダ®の治療を受けられた方およびそのご家族の方へ

―「進行期乳房外パジェット病の免疫チェックポイント阻害剤の有効性に関する多施設共同後ろ向き研究」へご協力のお願い―

研究機関名およびその長の氏名:信州大学医学部・医学部長  奥山 隆平

研究責任者:信州大学医学部・皮膚科  木庭 幸子

1) 研究の背景および目的

乳房外パジェット病は、皮膚にできるまれながんで、特に進行した場合には効果的な治療法が限られています。これまで一部の施設では抗がん剤が使われてきましたが、一般的な治療は確立されていません。近年では、免疫の力を利用した「免疫チェックポイント阻害薬」という新しい治療が使われるようになってきました。特に2022年からはキイトルーダ®、2024年からはオプジーボ®という薬が保険で使えるようになり、注目が高まっています。しかし、この病気では免疫チェックポイント阻害薬が効きにくい可能性も指摘されており、その効果はまだ十分に分かっていません。そこでこの研究では、実際に免疫チェックポイント阻害薬で治療された患者さんのデータを集め、これまでの治療と比べてどの程度効果があるのかを調べます。この研究を通じて、より良い治療方針の確立につなげることを目的としています。

2) 研究対象者

2022年2月1日~2025年3月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関でオプジーボ®もしくはキイトルーダ®の治療を受けられた方65名、信州大学医学部附属病院皮膚科においては治療を受けられた方3名を研究対象とします。

3) 研究期間

  研究機関の長の許可日~2030年4月1日

  情報の利用または提供開始予定日:研究機関の長の許可日から1週間後

4) 研究方法

当院において乳房外パジェット病でオプジーボ®もしくはキイトルーダ®の治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに治療の日程や腫瘍のサイズなどのデータを選び、治療効果に関する分析を行い、オプジーボ®およびキイトルーダ®の有効性について調べます。

5) 使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

l 研究対象者の基本情報:年齢、性別、活動度、これまでの治療歴、最終生存確認日、死亡日

l 血液検査:がんの腫瘍マーカーや血液検査の結果

l 腫瘍の情報:腫瘍径、性質、病理検査の結果、手術日、がんのPD-L1というマーカーの発現有無、癌ゲノム検査の結果

l 転移の情報:転移している部位、最良効果判定とその判定

l 対象薬剤の情報:投与した薬剤、投与日、投与回数、副作用、治療を中止・変更した理由

6) 外部への試料・情報の提供・共同利用の方法

この研究に使用する情報は、以下の研究代表機関および共同研究機関にパスワードをかけたファイルをe-mailにより提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。

岡山大学病院  杉原 悟

国立がん研究センター中央病院  緒方 大

札幌医科大学  加藤 潤史

7)情報の保存

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院皮膚科内および共同研究機関の国立がん研究センター中央病院と札幌医科大学で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。

8) 二次利用

この研究で得られた情報を将来別の研究に用いる可能性はありません。

9) 研究資金と利益相反

この研究は、国立がん研究センター中央病院の研究開発費を用いて実施します。

この研究に関して利害関係が想定される企業等で研究責任者や分担者あるいはその家族が活動して収入を得ているようなことはありません。

10)研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。

また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。

<問い合わせ・研究への利用を拒否する場合の連絡先>

 信州大学医学部 皮膚科

 氏名:木庭 幸子

 電話:0263-37-2647(平日:9時~17時)

<研究組織>

主管機関名  岡山大学病院

研究代表者  岡山大学病院 皮膚科 杉原悟

共同研究機関 一覧

研究機関の名称

所属

研究責任者

国立がん研究センター中央病院

皮膚腫瘍科

緒方 大

札幌医科大学

皮膚科

加藤 潤史

旭川医科大学

皮膚科

中川 智絵

信州大学医学部

皮膚科

木庭 幸子

東北大学病院

皮膚科

藤村 卓

新潟県立がんセンター新潟病院

皮膚科

竹之内 辰也

埼玉医科大学国際医療センター

皮膚腫瘍科・皮膚科

井上 禎夫

千葉大学大学院医学研究院

皮膚科学

川島 秀介

筑波大学附属病院

皮膚科

中村 貴之

慶應義塾大学病院

皮膚科

舩越 建

国立がん研究センター東病院

皮膚腫瘍科

高橋 聡

がん・感染症センター都立駒込病院

皮膚腫瘍科

西澤 綾

帝京大学

医学部皮膚科学講座

多田 弥生

日本医科大学

皮膚科

帆足 俊彦

東京大学医学部

皮膚科

宮川 卓也

横浜市立大学

皮膚科学

石川 秀幸

静岡県立静岡がんセンター

皮膚科

吉川 周佐

富山大学附属病院

皮膚科

鹿児山 浩

福井大学

皮膚科

馬場 夏希

名古屋大学

皮膚科

森 章一郎

名古屋市立大学

加齢・環境皮膚科

加藤 裕史

滋賀医科大学

皮膚科学講座

藤本 徳毅

三重大学医学部附属病院

皮膚科

北川 敬之

和歌山県立医科大学

皮膚科

山本 有紀

神戸大学

皮膚科

横山 大輔

兵庫県立がんセンター

皮膚科

高井 利浩

島根大学

皮膚科学講座

山﨑 修

愛媛大学医学部附属病院

皮膚科

西原 克彦

国立病院機構九州がんセンター

皮膚腫瘍科

内 博史

九州大学

皮膚科

大野 文嵩

熊本大学病院

皮膚科

福島 聡

国立病院機構鹿児島医療センター

皮膚腫瘍科

青木 恵美

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