【研究案内】「抗PD-1抗体治療に抵抗するメラノーマ 病変の腫瘍細胞と浸潤リンパ球の解析」に関する臨床研究について

2020年10月06日

 

信州大学医学部附属病院 皮膚科に

通院中または過去に通院・入院された患者様またはご家族の方へ

当科における臨床研究にご協力をお願いいたします。

 2020年10月6日

 

「抗PD-1抗体治療に抵抗するメラノーマ 病変の腫瘍細胞と浸潤リンパ球の解析」に関する臨床研究を実施しています。

 信州大学医学部遺伝子解析倫理委員会の審査による医学部長の承認を得て実施しています。この研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされています。

倫理審査承認番号

678

研究課題名

抗PD-1抗体治療に抵抗するメラノーマ 病変の腫瘍細胞と浸潤リンパ球の解析

所属(診療科等)

皮膚科

研究責任者(職名)

奥山 隆平 (教授)

研究実施期間

倫理委員会承認日~2022年3月31日

研究の意義、目的

メラノーマは予後が悪い皮膚がんですが、近年、抗PD-1抗体という治療薬によってかなり改善されました。抗PD-1抗体は患者さんの体内、とくにがんの周りにもともと存在するT細胞という免疫細胞を活性化させてがんを退治させる薬剤です。最大の特徴は効果の長さですが、これは一度活性化したT細胞が体内に長く残って、がんを退治し続けるためと考えられています。

 しかし最近、数年間に渡って抗PD-1抗体によって病状が安定していた患者さんの中でも病状が急に悪化する場合が多く見られる事が明らかになってきました。原因としてはT細胞の力が弱まっている場合と、がんがT細胞に見つからないように性質を変えてしまう場合があると考えられています。こうした状況で病状を安定させるには、悪化の原因ごとに対策をたてる必要がありますが、悪化の原因についての研究解析は不十分なのが現状です。

そこで本研究では抗PD-1抗体を投与しているにもかかわらず悪化して来た病巣から得られた生検組織や手術組織を解析して、悪化の原因をあきらかにしつつ、効果的な対処法を開発するのが目的です。

対象となる患者さん

2016年4月1日から2021年3月31日の間に、メラノーマ切除術および抗PD-1抗体治療を受けた方

利用する診療記録/検体

診断名、年齢、性別、病型、病期、検査結果、治療経過など/治療経過中に切除または生検された腫瘍組織のパラフィン包埋標本

他機関への試料・情報の提供方法

資料は郵送・情報は電子的配信により提供します

研究方法

治療や検査のために採取する検体(腫瘍組織や血液)の一部を使って遺伝子異常やタンパク質の状況を調べたり、腫瘍組織内の癌細胞や免疫細胞を増やしたりして、その性質を調べたりします。

共同研究機関名

国立がん研究センター先端医療開発センター免疫TR部門  西川 博嘉

京都大学大学院医学研究科免疫ゲノム医学講座      谷口 智憲

埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科•皮膚科     中村 泰大

千葉大学医学部皮膚科                 松江 弘之

千葉大学医学部 腫瘍病理学教室            池原 譲

千葉県がんセンター研究所               冨樫 庸介

国立がん研究センター研究所細胞情報学分野  間野 博行

国立がん研究センター研究所希少がん研究分野 近藤 格

札幌医科大学病理学第一講座              金関 貴幸

研究代表者

主任施設の名称:山梨大学医学部皮膚科学講座

研究責任者:大沼 毅紘

問い合わせ先

氏名(所属・職名): 木庭 幸子 (皮膚科・准教授)

電話:0263-37-2647

【診療記録、検査結果、過去に切除・採取した腫瘍組織】を研究、調査、集計しますので、【新たな診察や検査、検体の採取】の必要はありません。

利用する情報からは、患者様を直接特定できる個人情報を削除し、主任施設である山梨大学に提供します。

研究成果は今後の医学の発展に役立つように学会や学術雑誌などで発表しますが、その際も患者様を特定できる個人情報は利用しません。

この研究にご自分の診療記録等を利用することをご了解いただけない場合、またご不明な点については、上記問い合わせ先までご連絡くださいますようお願いいたします。

研究不参加を申し出られた場合でも、なんら不利益を受けることはありません。ただし、同意取り消しの申し出をいただいたとき、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合や、試料や情報が匿名化されて個人が全く特定できない場合などには、結果を廃棄できないこともあり、引き続き使わせていただくことがあります。

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