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工学部環境委員会第30回 市民公開講座開催

2026年01月26日(月) [活動報告]


講演の様子①


講演の様子②


講演後の質疑応答

2025年11月12日、「微生物が地球を救う!?と信じて」というタイトルで、DIC株式会社新事業統括本部の川崎伸之プロジェクトマネージャーにご講演いただきました。
一般・学生・教職員合わせて73名の方に御参加いただきました。


講演ではまず、「微生物とは?」というタイトルで、肉眼では見ることができないほど小さな小さな生き物「微生物」による様々な働きが紹介されました。
例えば、我々人間の体内に数十兆個いると推定されるバクテリアは、消化と栄養吸収の補助や免疫を司っており、腸内環境の健全化などに役立っています。
また古来より、そうした働き者の微生物を利用して、味噌や納豆、日本酒、チーズなどに代表される様々な発酵食品が作られていることも紹介されました。
さらに、ワクチン抗原(出芽酵母)、抗生物質(放線菌)、洗剤・食品・紙パルプ向け工業酵素(バチルス族、糸状菌)、バイオ燃料(Clostridium属)など、近年、開発が進められている最先端の微生物活用技術の事例も紹介していただきました。


次にこの微生物の力を使って地球環境問題、特に地球温暖化問題、二酸化炭素問題を解決できるのか?というテーマ、つまり本講演の本題ですが、こちらについても様々な技術を紹介していただきました。
大気中の二酸化炭素濃度は、炭素が酸化されたものですから、地球上の炭素循環の影響を受けます。そして炭素循環には光合成を行う植物プランクトンと有機物分解を行うバクテリアが多大な影響を及ぼしているそうです。
講演では、そうした微生物の働きを利用した技術開発、例えば二酸化炭素の吸収・固定に微生物が活用されている事例が紹介されました。
その中で、川崎氏が取り組んでおられるスイゼンジノリの大量培養技術も説明いただきました。スイゼンジノリが持つ硫酸化多糖は、高い保湿効果・皮膚防御効果を持つため、化粧品材料としての利用が期待されるそうです。


このたびの講演でお話いただいた内容は、実際には複雑で難解なものです。
川崎氏が利用したスライドは、一見するとどれもシンプルなんですが、そこには最先端の情報がギッシリと盛り込まれていました。
そして、それを身近な例を挙げながらとても分かりやすく御説明いただけたと思います。


また、無事にこの講座を開催できたのは、準備・運営にご尽力いただいた皆様のおかげです。この場を借りて深く感謝申し上げます。


(工学部環境委員会環境教育部会長 小松一弘)