信大環境レポート信大環境レポート

JESCO北海道PCB廃棄物処理施設の現地確認に行きました

2022年01月20日(木) [活動報告]


JESCO北海道事業所外観


PCB除去のための攪拌処理(当初処理施設)


安定器等のドラム缶への封入作業(増設処理施設)

 12月27日(月)工学部環境委員会リサイクル部会2名で、信州大学工学部環境マネジメントシステム要領・手順書集P446-16および「改正廃棄物処理法」における長野県廃棄物条例第11条第1項に従い、高濃度PCB処理委託先であるJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)に対し処理工程および適切な環境下にあるか視察を行いました。

 高濃度PCB廃棄物は地域ごとに定められた処分期間内に必ず処分することが必要で、長野県の受入れ先であるJESCO北海道事業所では、トランス類・コンデンサ類等はR4年3月31日まで、安定器等・汚染物についてはR5年3月31日までと定められています。長野(工学)キャンパスはR2年3月にPCB廃棄物として安定器・安定器用コンデンサを排出・委託した経緯があります。

 当施設では処理段階でPCB(ポリ塩化ビフェニル等)特別管理産業廃棄物および産業廃棄物を取り扱い、許可証は施設壁面にて確認しました。許可期限はR5年5月14日までです。

 施設は情報センターの他、当初処理施設(トランス・コンデンサ等)、増設処理施設(安定器・汚染物)に分かれています。情報センターでは施設の概要と担当者から稼働状況やPCBの運搬、環境モニタリングについて説明を受け、その後、700m離れた当初処理施設と増設処理施設へ案内され、処理工程の順に説明を受けました。

 PCBは昭和43年に発生したカネミ油症事件を契機として難分解性、高蓄積性、長期毒性の観点からS49年に使用が禁止されています。JESCOは30年以上に渡り長期保管されていたPCB廃棄物を安全・確実に処理する施設として政府出資により稼働しています。処理工程ではPCB漏洩や安全対策を徹底していることを確認しました。また、市民による環境汚染の憂慮を払拭するため情報センターを設置し、さかんに情報発信を行っている状況を確認しました。R5年を目途に処理の完了、以降は施設解体を予定していますが、PCBの歴史と最終処分まで学ぶことができるため環境教育の面でも重要な施設であると感じました。

(工学部環境委員会リサイクル部会長 菊地理佳)