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全研究総覧

名勝・姨捨棚田の継続的耕作と文化的環境保全に関する研究 【地域】 千曲市 姨捨棚田

はじめに

姨捨棚田は1999年に国の文化財・名勝に棚田としては初めて指定され、2010年には重要文化的景観にも選定された。しかし同棚田にある上姪石地区は、名勝に指定されたものの耕作地の圃場条件が極めて悪くかつ耕作者の高齢化・後継者不在等もあり、耕作放棄地の増大が問題となっている。この耕作放棄地の解消を目指し、持続的耕作が可能かつ景観保全に配慮した圃場の開発が求められている。文化庁の許可の元、全国で初めて名勝指定後、棚田を整備する試みがなされようとしている。

本研究ではこれらの実態を把握しつつ、耕作持続と景観保全に配慮した整備技術として、急傾斜地水田の整備工法である等高線型工法の応用と、3D画像をもちいた景観配慮技術の検討を行う。

方法(調査地)

1) 上姪石地区(3.3ha)の現況土地利用の実態を把握する。
2) 同地区の各圃場条件の実態を明らかにし、その課題を明確化する。
3) 現耕作者・地権者への聞き取り調査から今後の耕作継続の可能性等について確認する。
4) 上記を踏まえ、耕作持続と景観保全に配慮した整備計画案を作成する。

結果と考察

1) 対象地区内の区画数147、面積155aの棚田の一筆調査を実施した結果、水田80a、畑9a、耕作放棄地63a、その他建物等3aであった。
2) 耕作放棄地の区画条件を以下の図表に示した。区画に接続する道路・水路の不備が大きい。また区画規模はすべて3a未満であった。





今後の方針と計画

今後は、方法3)4)について実施し、具体的な圃場の整備案を提案してゆく予定である。

研究者プロフィール

岡野 哲郎
教員氏名 岡野 哲郎
所属分野 農学部 森林科学科 山地環境保全学
兼担研究科・学部 大学院総合工学系研究科
所属学会 日本森林学会、日本生態学会、日本植物学会、植生学会、日本熱帯生態学会、森林立地学会、森林計画学会、日本農業気象学会、日本鱗翅学会
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