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全研究総覧

山麓域集落の里地里山整備計画の構築と実施手法に関する実証的研究 【地域】 伊那市 西春近

はじめに

本地区は2006年7月の豪雨災害を契機に、地域住民の里地里山整備への関心が高まり、信州大学田園環境工学研究会との共催による里山セミナーの開催等により、計画づくりの準備を行ってきた実証的研究サイトである。

方法(調査地)

1)土砂災害等に対する住民による里山管理計画策定に関する基礎的研究
地域住民は災害を契機に里山林の整備遅れを解消する間伐促進等の対応を模索しているが、明確な整備計画をもてず対処的対応になりがちである。
県は災害に強い森林づくり指針を設けているが、計画策定に多くの専門調査・判断が求められ、行政予算縮減の中、各地での対応は遅れがちである。
現場はその遅れに待ちきれないのが実態である。
専門技術者による計画ではなく、地域自らによる住民ならでは過去の災害履歴・経験等を活かした実態把握や住民間の問題共有、それらを踏まえた里山管理計画の構築手法、および市町村担当者や大学研究者の支援のあり方を検討する。

2)山麓境界域での獣害対策に関する研究
当該地区では災害に引続き、山麓域集落での獣害が深刻化している。
地域住民により平成の猪垣事業が展開され大規模防止柵が設置されつつある。
ここでのサル・クマを中心に生態的行動特性を調査把握し検討する。
また、獣害対策は防止柵の設置だけでなく、農地および里山(緩衝帯)整備が一体的に行われることで、効果の増大が期待される。これら農地および里山(緩衝帯)整備手法の開発を目指す。

結果と考察

1)伊那市および西春近自治協議会と連携し、計画に必要な地域状況に関する基礎的資料を作成中である。

2)小屋敷集落を対象に防止柵と農地および緩衝帯域の状況調査(施設および土地利用等)を実施した。また、GPS発信器によるサル・クマの行動調査と、防止柵周辺への赤外線カメラによる監視調査を実施した。

今後の方針と計画

今後は、具体的計画案を検討してゆく予定である。

研究者プロフィール

岡野 哲郎
教員氏名 岡野 哲郎
所属分野 農学部 森林科学科 山地環境保全学
兼担研究科・学部 大学院総合工学系研究科
所属学会 日本森林学会、日本生態学会、日本植物学会、植生学会、日本熱帯生態学会、森林立地学会、森林計画学会、日本農業気象学会、日本鱗翅学会
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