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《プレスリリース》ナノカーボン膜の実証試験を開始

信州大学アクア・イノベーション拠点は、福岡県北九州市にある海水淡水化実証試験施設「ウォータープラザ北九州」に海水淡水化パイロット試験設備を設置し、今夏より、拠点で開発したナノカーボン膜の海水淡水化実証試験を開始しました。
9月19日には報道関係者を集めての記者会見を行い、報道陣にこの設備の概要を公表しました。
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「ウォータープラザ北九州」は海から200メートルほどの距離にあり、実海水を使った実証試験が行える国内唯一の公共の施設で、関門海峡に面した取水口から海水をくみ上げています。
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この一角のテストベッドに設置した信大パイロット試験設備では、信大開発膜を使った系統と、市販膜の系統の2系統を同時に運転し、実際の海水を使った比較評価を行い、開発膜の優位性を実証します。
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取水口からくみ上げられた海水は、施設内の前処理装置でごみや不純物を取り除いたあと、アクア・イノベーション拠点の試験設備へと運ばれ、水槽、保安フィルターを経て、ベッセルという筒状の圧力容器に通します。
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このベッセルの中には逆浸透膜モジュールが装填され、高い圧力をかけて海水をモジュールに通し、海水から真水を取り出します。
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現在、信大開発膜の系統のベッセルには、カーボンナノチューブを高分子のポリアミドに混ぜたロバストカーボン複合膜をロール状に巻いたモジュールが装填されています。
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5月から試験運転を行ってきましたが、この10月以降、本格的な実証試験を開始。
システム全体で一日11トンほどの真水を海水から作り、およそ1年をかけて、脱塩性や透水性、耐汚濁性などの膜の性能や運用コストを検証します。
また試験中のロバストカーボン複合膜以外にも、セルロースナノファイバーなどの様々なナノ材料を使用した膜でも同様の海水淡水化実証試験を行うほか、ウォータープラザ北九州に隣接する北九州市の下水処理センターの下水の再生処理実証試験も実施する計画です。