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未来"水"社会を表現する「ジオラマ」が完成

アクア・イノベーション拠点はこのほど、拠点が目指す将来像を立体的に表現したジオラマを作成し、中核拠点の2階展示コーナーで一般公開を始めました。当ジオラマは6月5日、天皇皇后両陛下が信州大学を訪問した際にも、遠藤守信特別特任教授がプロジェクトの将来像を説明するために使用したものです。

"水の世紀"を表現するジオラマ(Diorama)

安価でクリーンなエネルギー、十分な量と質の水、そして食糧の安定的な確保は、人類にとって不可欠なものであり、それらは互いに強く結びついているといわれています。このジオラマは、アクア・イノベーション拠点が思い描く"水の世紀"に、ある砂漠地帯の半島に生まれた想像上の未来都市を立体的に表現したものです。安価でクリーンなエネルギーを代表する太陽光発電と風力発電が供給する電力により、海水淡水化プラントやかん水処理施設から真水が生み出され、農業による食糧生産が可能となり、人々が生活する都市や住宅エリアが形成されている様子が観察できます。

アクア・イノベーション拠点が目指すもの

本拠点が目指すのは、「世界中の誰もが十分な水を手に入れられる社会」の実現です。背景には、地球上の水が偏在しており、中東、アフリカ北部、東南アジアなどできれいな水が不足していること、さらに、地球上の人口が2030年には80億人に達すると予想され、水とエネルギー、そして食糧の確保がますます難しくなるという事情があります。新たな水源として本拠点が注目したのが、海水、随伴水、かん水で、これらの脱塩処理に用いる、ナノカーボンを使った新たな逆浸透(RO)膜の開発と、その実用化に向けた取り組みがプロジェクトのメーンテーマとなっています。

<基本的な仕様>

1. 大きさ ヨコ2.12㍍×タテ1.06㍍

2. 建物 
 <造水部門> 海水淡水化プラント、海水淡水化ユニットを備えた大型客船、随伴水処理施設、かん水処理施設、水再生施設、
 <エネルギー部門> 太陽光発電、風力発電、油田・ガス田、石油・天然ガス採掘の海洋プラットフォーム、
 <農業・工場部門> 農地、食品工場、半導体工場
 <街部門> 住宅地、ビル群、ハイウェイ、港湾エリア、リゾート施設、鉄道(しなの鉄道)、アクアッピ(水の妖精)

3. 特長
 ・街灯、ビルや建物の灯りを模したLED電球が、ジオラマ全体を浮き上がらせる。
 ・しなの鉄道が街中を巡り、車窓をテレビモニターに映し出す(イベント時のみ)。
 ・風力発電10基のうち、2基のプロペラが稼働式になっている。
 ・二か所に停機中のヘリコプター2機がプロペラを回転させる。
 ・タッチパッドによる展示ガイドが、ジオラマの詳細を紹介する。

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