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天皇皇后両陛下が信州大学の中核拠点を視察

全国植樹祭の式典に出席するため、長野県を訪れた天皇皇后両陛下が6月5日、信州大学長野(工学)キャンパス内の国際科学イノベーションセンター(AICS)を視察しました。天皇皇后両陛下が信州大学を訪問するのは、1949(昭和24)年の開学以来、初めてとなります。

両陛下は午後2時半、長野(工学)キャンパスのセンターに到着し、正門近くに詰めかけた学生や職員170人から歓迎を受けると、右手を挙げて応えました。

センターの玄関では、濱田州博学長、中村宗一郎理事、半田志郎副学長(工学部長・センター長)らが出迎え、両陛下に挨拶しました。

2階展示コーナーでは、半田副学長がまず、同センターの概要について両陛下に説明。両陛下は、200分の1スケールで作られた同センターの模型を観察しながら、壁面を覆うように設置された太陽光発電パネルに興味を示し、その設置場所について問う内容のお言葉がありました。半田副学長は「北を除くすべての壁面と屋上に設置されており、すべて合わせると300キロワットの発電能力があります」と説明しました。

続いて、遠藤守信・特別特任教授が、自らが研究リーダーを務めるアクア・イノベーション拠点(COI)のプロジェクトについて解説。遠藤教授は、開発したばかりのナノカーボン膜の実物や、ナノカーボン膜で食用色素を脱色する実験装置、食塩を脱塩する実験装置、将来ビジョンの未来「水」社会を立体的に表現したジオラマなどを用いて説明しました。

この中で両陛下は、ナノカーボン膜が、通常の逆浸透膜と比べ、面にごみがつきにくいという説明に興味を示し、そのメカニズムについて問う趣旨のお言葉がありました。遠藤特別特任教授は「それは陛下、大変難しいご質問、ありがとうございます。膜の電荷、化学的な力関係、表面の凹凸などが総合的に関与していると考えており、メカニズムを解明するべく研究を進めているところです」と説明しました。

両陛下の視察には、義家弘介・文部科学副大臣、阿部守一・長野県知事も立ち合いました。


IMG_1516.JPG国際科学イノベーションセンターの玄関前で、集まった学内関係者から歓迎を受ける天皇皇后両陛下(長野県提供)


227A0808.JPG遠藤特別特任教授から説明を受ける天皇皇后両陛下(長野県提供)