「博士課程教育リーディングプログラム」(研究拠点形成費等補助金) ~ファイバールネッサンスを先導するグローバルリーダーの養成~  キックオフフォーラム開催

活動報告

平成25年12月13日、博士課程教育リーディングプログラム(オンリーワン型)に採択された「ファイバールネッサンスを先導するグローバルリーダーの養成」のキックオフフォーラムを東京都内のホテルで開催しました。来賓ら出席者からは、プログラムへの期待・注文が数多く寄せられ、信大の教職員は、事業の成功に向け、決意を新たにしました。

約九十人が出席。主催者あいさつで、山沢清人学長は「技術力だけでなく人間力でも世界の繊維産業のトップリーダーとなる人材を育てたい」と、強調。プログラム責任者の濱田州博・繊維学部長も、繊維学部百三年の歴史に触れながら「これまでの研究・教育の蓄積を生かしてグローバルリーダーを養成したい」と、抱負を述べました。


来賓を代表して二氏があいさつ。文部科学省の猪股志野・高等教育局大学振興課大学改革推進室長は、リーディングプログラム採択にあたって評価されたポイントとして①信大繊維学部はわが国唯一の繊維学部で、オンリーワン性が高い②リーディング大学院の趣旨を踏まえたプログラムがきちんと提案されている③長年にわたって産業界との提携に実績があり、企業側の人材ニーズを基に産学連携や終了後のキャリアパスについても十分考えられている―の三点を指摘。「日本の大学が新時代に対応していくための変革のモデルとして機能していただきたい」と要望されました。経済産業省の片岡進・製造産業局繊維課長は、信大が世界の五十以上の大学とネットワークを構築していることに触れ、「世界から注目されるクオリティーの高いプログラムを実施してほしい」と述べられました。

ステークホルダーを代表して、日本化学繊維協会副会長の伊藤文大・クラレ社長が、繊維業界の現況と、業界が求める人材について説明。「繊維学部を持つ唯一の大学である信州大学は、繊維産業に身をおくものにとっては心強い存在で、新プログラムが実行されることは大変ありがたい」と述べられました。先行事例紹介として、秋田大学大学院工学資源学研究科の石山大三教授が「レアメタル等資源ニューフロンティアリーダー養成プログラム」の実施状況を説明。「信州大学、秋田大学、お互いのプログラムの充実・発展を祈念しています」と結ばれました。

阿部康次・副学部長が繊維学部の歴史と教育改革について報告。リーディング大学院プログラム・コーディネーターの高寺政行教授がプログラムの概要を説明した後、三氏が「ステークホルダーからの提言」を行われました。繊維学会副会長の鞠谷雄士・東京工業大学教授は、養成が期待される人材として①繊維畑の中枢にいるとの自覚を持つ②繊維の科学と記述に関わる特定の分野で、世界に伍すことのできる高い専門性を有する③川上から川下まで、多岐にわたる繊維学のポイントを熟知している④多分野に俯瞰的な視点を持ち、繊維の科学と技術との融合の可能性を常に意識できる⑤国際的視野を持ち、海外のキーパースンと十分にコミュニケーションができ、さらに共同研究のできる―の五項目を挙げました。テックワンの竹田忠彦社長は、「世界に冠たる日本の繊維技術を若い人に引き継いでほしい。繊維を背負って立つ人材を送り出してほしい」と述べられました。榎本祐嗣・富山県工業技術センター所長は、再来年春の北陸新幹線の金沢までの延伸に触れ、「産(北陸繊維産地)と学(信大繊維学部)が近くなる」として、両者の連携を強く求められました。

« 前の記事へ

お知らせ一覧にもどる

次の記事へ »