信州大学

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先鋭材料研究所の高田特任教授、久富准教授、堂免特別特任教授を含む研究チームの論文がNature誌に掲載されました

2020.05.29

信州大学先鋭材料研究所 高田 剛 特任教授、久富隆史 准教授、堂免一成 特別特任教授(クロスアポイント)、山口大学大学院創成科学研究科 酒多喜久 教授、東京大学大学院工学系研究科 柴田直哉 教授、産業技術総合研究所ナノ材料研究部門 関 和彦 上級主任研究員らの研究グループは、100%に近い量子収率で水を水素と酸素に分解する光触媒を開発しました。


異なる結晶面が露出したSrTiO3(Alドープ)の微粒子に、光電着法により水素生成助触媒と酸素生成助触媒をそれぞれが別々の結晶表面に選択的に担持することができます。これは光励起により生じた電子と正孔が光触媒粒子内部に生じる電場によって異方的に移動するためであり、これによって空間的に分離された電子と正孔は再結合することなく、ほぼ100%の量子収率で水分解反応を進行させることが可能となりました。


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本研究の成果は微粒子状の光触媒で水分解反応を高い量子収率で進行させるための明確な動作原理を初めて明らかにしたもので、今後の光触媒開発に重要な知見を与えるものと期待されます。また、本研究の成果は同誌のNews & viewsにてハイライトされ、Hot Topicsにも選出されました※。
なお、本研究は人工光合成化学プロセス技術組合との共同によるもので、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「二酸化炭素原料化機関化学品製造プロセス技術開発」事業の一環として行われました。
(図:本研究で開発した光触媒の構造と機能。光触媒粒子内での電荷分離と水分解)


詳細 プレスリリース


論文情報
題目:Photocatalytic water splitting with a quantum efficiency of almost unity
著者:Tsuyoshi Takata, Junzhe Jiang, Yoshihisa Sakata, Mamiko Nakabayashi, Naoya Shibata, Vikas Nandal, Kazuhiko Seki, Takashi Hisatomi, Kazunari Domen
掲載誌:Nature, 581, 411-414 (2020)
DOI 10.1038/s41586-020-2278-9


※Hot Topics記事
題目:An almost perfectly efficient light activated catalyst for producing hydrogen from water
著者:Simone Pokrant
掲載誌:Nature, 581, 386-388 (2020)
DOI 10.1038/d41586-020-01455-w