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各種調査結果

平成26年度卒業生調査の結果のお知らせ

2015.04.30

平成26年度信州大学卒業生調査の結果(概要)

  近年,社会の著しい変貌とそれに伴う労働市場の急激な変化に対し,大学は社会の変化を的確に捉えつつ,主体的に大学の将来を考えていくことが求められています。卒業生の声をより広く聞くために,信州大学高等教育研究センターは2014年12月に卒業後30年(昭和58年度卒業)、卒業後10年(平成15年度卒業),及び海外勤務の卒業生の皆様を対象にパイロット調査を実施しました。各学部の同窓会及び卒業生の方々から多大なご協力をいただき、本調査は795名(有効回答率30%)の回答を得ました。

調査の内容は主として以下の3つです。
信大の卒業生がどのように自分の受けた大学教育を評価しているのか(信大教育への評価)。
実際の職業生活と社会生活において、どのような知識と能力が必要なのか(必要な知識と能力)。
③ 信州大学をより良い大学にするために何をすればよいのか(信大への希望)。

調査の結果をまとめてみると、以下の通りです。
①信大教育への評価
すべての学部の卒業生は信大の専門教育及び共通教育に対する満足度は高いものとなっています。一方、英語と初修外国語に対しては満足度がやや低い結果です。教員や学生同士の交流機会が多いことは、卒業後の仕事と生活に大きく寄与しているという意見が多く見られます。信州という自然豊かな土地で学べた経験は高く評価されています。図書館などの施設や、学生のカウンセリング、キャリア教育などの学生サービスのさらなる充実を望む声が多くあります。

②職業生活と社会生活において必要な知識と能力
専門知識の重要性は高く位置づけられています。注目すべきは、専門知識以外に、堅実な専門基礎知識、幅広い教養、そしてより重要なのは知識をアウトプットするプレゼンテーション能力、常に新しい知識を学習する自己学習能力、専門知以外の知識の応用能力、広い視野と積極的に物事に取り組む姿勢などが重要視されています。この意見は海外勤務経験を持つ卒業生及び卒業後30年の卒業生の中で多く見られます。さらに、加速しつつある知識の更新に対応できるように、自ら取り込むような学習方法の習得は今の社会が求める最も重要な能力と位置づけられています。
このような知識と能力の学習は、専門教育・教養教育以外に、読書、部活、ゼミなどの日々の大学生活で得たとの回答です。

③信大への希望
即戦力を求めるような時代の風潮に惑わされないように、充実した専門教育、教養教育を実施した方がよいとの意見が多く見られます。海外、国内、さらに学内(学部間)の交流を深め、学生の視野を広げると同時に、信大の強みをより多くの人に知ってもらうことも重要視されています。インターンシップ及び地域との連携を通してより社会との連携を深めることや、卒業生のネットワークを構築し、積極的に活用することが望ましいとなっています。

④その他(他の調査との比較から)
大学教育の効果は在学時、卒業時の満足度や就職率などといった定点的指標だけではなく、長いタイムスパンで卒業生のキャリアを通して検証する必要があります。時間が経つにつれて、大学教育を通して身につけた知識と能力、さらに構築したネットワークの効果が徐々に現れてくるものが多いと思われます。
今回の卒業生調査を通して,本学の教育・研究を考えていくために重要な意見が得られたとともに,在学中の学生がそれぞれのキャリアを考える上で貴重な資料になると考えております。ここで改めて調査にご協力下さった皆様に深く御礼を申し上げます。

調査のアンケート表及び報告書については、下記のリンクをご参照くだされば幸いです。

2015年5月1日
信州大学高等教育研究センター
小池 健一
李 敏
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