金 翼水(キム イクス)准教授 (国際ファイバー工学研究所 フロンティアファイバー研究部門、機械・ロボット学科)は超極細繊維であるナノファイバーを用いることで、工業用フィルムを使っている既存の製品と比較して、通気性において大幅に優れた女性用ナプキンの開発に国際連携のもと成功した。開発者らは、ナノファイバーシートとその大量生産技術を活かすことで、既存の女性用ナプキンが持つ問題点を解決できると考え,不織布にナノファイバーシートをラミネートすることで量産可能な試作品の完成に至った。本開発は、信州大学繊維学部の強みであるナノファイバーの応用技術と大量生産技術の組み合わせにより成功に至ったものである。
ナノファイバーシートはナノ構造を持ち、薄く(10㎛以下の厚み)低重である。開発したナノファイバーシートを用いた女性用ナプキンは、世界最高クラスの通気度を有する。また、健康・環境への化学物質に関する国際規則を満たし(REACH、RoHSなどの国際規格に準拠 )、さらに抗菌性能を付与している。これらの性能に加え,優れた触感、低刺激性なども期待でき、高付加価値商品として販売が可能と考えられる。今後ナノファイバーシートの大量生産・加工技術の確立により、低価格化も可能であり,さらに高性能なナノファイバー素材を利用した各種衛生用品部材への用途展開が期待される。

本記者会見は平成30年7月9日(月)に本学部でおこなわれ、日本メディアの他、中国、韓国メディアも来校した。

左:高寺政行研究所長、右:金翼水准教授

開発したナノファイバーシートを説明する金翼水准教授

記者会見の様子