受賞者:撹上将規(国際ファイバー工学研究所・助教)
日時・場所:平成30年6月1日(金)、名誉会員推戴式および表彰式(東海大学校友会館)
賞の名称:第72回(2017年度)日本セラミックス協会賞(進歩賞)
業績題目:「有機化合物を用いた前駆体構造制御によるホウ化物粉末の低温合成」
受賞機関:公益社団法人日本セラミックス協会

研究概要:撹上助教は、熱炭素還元法における炭素源にポリオールを用い、ホウ酸との縮合反応による結合形成とともに大気中での熱分解操作による構造形成を導入することによって酸化ホウ素(B₂O₃)と炭素からなる制御された炭化ホウ素(B₄C)前駆体の形成に成功し、この前駆体構造がB₄C合成温度の低温化の支配因子であることを明らかにした。この手法の特色は、結合形成と相分離による構造形成を総合的に捉え、反応空間を設計・制御している点にある。この前駆体への構造的アプローチと分子的アプローチの融合によって、熱炭素還元法によるB₄C粉末合成の中で最も低温(1200℃)での微粒子合成に成功した。さらに、本手法を応用して層状窒化ホウ素(BN)粉末および六ホウ化カルシウム(CaB₆)粉末の低温合成を実証した。