工場研修@アサダメッシュ株式会社

活動報告

9月19日、履修生9名(1年生2名、2年生6名、3年生1名)が、鹿児島は薩摩川内市にあるアサダメッシュ株式会社鹿児島工場を訪問しました。アサダメッシュは、世界最高精細のステンレスメッシュを製造・販売しています。その世界最高峰・最先端のものづくり現場を、今回見学しました。世界ナンバーワンの先駆的な技術力を目前で観察できただけでなく、スクリーン印刷の体験、そして長時間に渡る質疑応答と、大変充実した研修になりました。大阪本社から駆けつけてくださった浅田英明社長・林秀明副社長はじめ、関わってくださった全ての方々に心から御礼申し上げます。

学生参加報告書 杉山広忠(2年)
1:参加の目的

本工場見学は世界で最も細かいメッシュ製造技術を有するアサダメッシュ株式会社を訪問した。これまで衣類の製造について学んできたが、今回は金属を織るという、これまでと違った織物について見学した。本工場見学ではワイヤーを用いて織るときの糸との違いや工夫などについて留意し、現場のものづくりについて学ぶことを目的とする。

2:参加した結果得られた課題
アサダメッシュ株式会社では主にスクリーン印刷用のメッシュを開発していた。その中でいかに用途拡大ができるかが、問題として挙げられた。現在、高機能メッシュは用途が限られている。さらに生産ロスとなる部分も中には多い。ニッチな部門において高い製造技術力があることは、会社として強みである。しかし、用途展開は会社にとって必須であり悩ましいことであると痛感した。今回、この用途について企業の方々と議論することができ、よい経験となった。その中で防火など意見が出ており、金属メッシュの可能性と用途展開の難しさを伺うことができた。

3:参加した結果得られた成果
織物ついて、機械の使用から完成品の仕上がり特徴など様々なこと学んだ。しかし、それは糸にとどまらず金属でも高精度に織ることができる。メッシュ製造はまずワイヤーの検査から始まる。時点で衣類に使われる糸とは太さが異なっており、ワイヤーがほぼ見えず、それを手探りで糸口も見つけ、ワイヤーが曲がっていないか、太さもしくは強度が規定内に収まっているかなど、繊細な検査が行われていた。次に検査を終えた経糸用のワイヤー整経工程に移る。整経工程ではワイヤーが絡まることなく一定間隔で堆積され、とても綺麗に整列されていた。整経された経糸を筬に通すのだが、これも繊細な作業であり強い印象を覚えた。一つは半自動であり、もう一つは全自動であったが、もし手作業で自分が行うとしたら、エラー無しに一つの工程を完遂できる自信がない。織る工程ではレピア式の織機を使用しており、レピアやビートの速度は布製造に比べ遅いものの構造としては、同じものを使用していた。緯線ボビンをセットして交互に織ることにより、長く均一な製品となる工夫がされていた。このように所々に精密な製品を製造する工夫がなされており、メッシュ製造において高い技術を見学できた良い経験となった。

4:成果を今後の研究にどのように活用するか
私の研究分野であるカーボン材料ではしばし、一定の粒子径で分離し物性を測定することがある。ゼオライトやシリカの分離にも使用されていることもあり、機会があれば活用したいと思う。
次に、用途についての話である。我々工学系の研究者としてもどのようにこの研究が生かせるか提案をするため、大切なことであり、同時に困難なことでもある。このことを留意しながら研究を進めていきたい。

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