平成29年度ものづくり・ことづくり演習I@BOKU、オーストリア

活動報告

5月26日~6月5日にかけて、新入生10名が協定校であるウィーン天然資源大学(オーストリア)を訪れました。

Austria2017.jpg学生の報告より 1年生 太田凌太郎
1. 参加の目的

このウィーン天然資源大学(BOKU)で行う「ものづくり・ことづくり演習Ⅰ」では、チームワーク 技術と英語によるプレゼンテーション能力の向上、グローバルリーダーとして必要な能力を培うこと を目的とする。そのために、あらかじめ国内で小グループに分かれて、課題設定および議論を行い、そ の結果を BOKU で発表するまでの作業をグループリーダーの下で行うことで、チームワークを実践す る。さらに、学生が個別に自分の研究を紹介し、BOKU の教員、学生からの質問に答えることで英語で のプレゼンテーションを体験する。また、海外企業での研修を通して、日本企業とのものづくりに対す る取り組み方法の違いや類似点について考察する。加えて、その国の文化に直接ふれることで、その国 の人々や考え方をよりよく理解できるようにする。

2. 参加した結果得られた課題
今回の研修を通して、自分の英語力の無さを強く感じた。個人のプレゼンテーションでは、発表自体は原稿を用意していたため、何とか乗り越えることができた。しかし、その後の質疑応答については、質問の内容をちゃんと理解することができず、回答しようにもうまく英語に訳すことができなかった。そのため、質問者の疑問をちゃんと解決することができなかったと思う。それどころか、質問の内容を勘違いして、全く見当違いな回答をしていた可能性さえある。そんなこんなで、質問をしてくださった方に申し訳ない気持ちになった。また、BOKUの学生のプレゼンテーションでは、研究内容を断片的にしか把握することができず、その後の質疑応答にも全く参加することができなかった。さらに、周りの人がBOKUの学生と積極的に楽しそうに会話をしている中、自分は英語能力の無さからそれを躊躇してしまい、全く会話に参加することができず、話す機会があっても、相手の発言は理解できても、私の発音がおかしいらしく自分の発言を1回で分かってもらえないことが多々あった。英語ができないことをこんなに悔いたことは、初めてだった。
プレゼンテーション資料および発表の仕方についても課題が見つかった。BOKUの学生は資料に図やアニメーションを適確に活用していたり、発表では目配せや身振り手振りを加えており、興味のないことには無関心な私でも非常に引き付けられた。一方、私は研究内容にそういったものを加える部分がほとんどないこともあるが、全く利用していなかった上に、発表中は全く目配せをせず、棒立ちであった。
工場見学では、Lenzing社で木材や木材パルプなどからセルロース繊維を製造する工程を、Sappi社では製紙・パルプの製造、品質検査および包装工程の見学をし、大学の研究室と企業の製造現場の規模の違いを実感した。企業の研究者には製造現場の実状を把握し、それを考慮した研究が必要になると思う。そのため、将来企業の研究者として活躍するためには、企業に入る前から工場の見学などを実施し、製造現場の状況を把握,理解して、それを少しでも意識しながら日々の研究を実行していく必要があると感じた。
また、オーストリアの人々の生活を日本は見習った方がよいと感じた。オーストリアでは人々が時間に追われている感じがしなかった。そのためか、時間が非常にゆっくりと過ぎていく感じがした。これは、日本に居ては味わえない感覚だと思った。さらに、平日の仕事終わりの時間帯に公園で親子一緒に遊んでいたり、散歩やジョギング,日向ぼっこを楽しんでいる人も多数見かけ、家族や自分の時間を大切にしていることがひしひしと伝わってきた。24時間営業のコンビニがないし、スーパーは8時までにはほとんど閉まってしまうため、便利さでいえば日本の方が圧倒的ではあるが、ゆっくりと流れる時間や自分や身近な人々との時間を大切にする文化は魅力的だなと感じた。

3. 参加した結果得られた成果
今回の研修では、課題ばかりが浮き彫りとなり、成果と呼べるほどのものが得られたかはわからないが、強いて挙げるとすれば、4月よりは英語を聞き取れるようになっている点だと思う。毎週あるマイク先生の英語の授業のおかげか、英語に対する抵抗感は昔ほど感じなかった。スピーキングはまだまだ課題が山積みの状態であるが、英語力にほんの少し進歩が見られたことは、今後の英語勉強の活力になると思う。

4. 成果を今後の研究にどのように活用するか
今回の研修では、様々な課題を発見することができた。特に今回は、英語力,プレゼンテーション力および時間の使い方を早急に改善し、今後の活動に活用したいと思う。
初めに、英語の上達であるが、これは毎日コツコツと勉強をしていく他ないと思われる。読み書きだけでなく、リスニングおよびスピーキングも上達したい。そのためには、英語の授業で積極的に会話をすることが最も早くて確かな方法であろう。もし英語力が向上すれば、論文を読むスピードが上がり、研究の効率がより増すと考えられる。
次に、プレゼンテーション力の向上だが、これは学会などで発表をし、経験値を積んでいくのが最良な手段だと思う。その他に、他の人の発表を見聞きし、資料の作り方や発表の仕方などの良いところを見つけ、それを盗むことも必要不可欠であろう。プレゼンテーション力が向上すれば、学会発表などで受賞できる可能性も確実に上がるに違いない。もちろん賞を取ることを最終目標とせず、研究テーマを完遂させることを最終目標とすることを念頭に置いておく必要がある。
最後に時間の使い方の改善である。私は勉強や研究の時、頻繁に本や携帯を見てしまう。私はこれにより、勉強でも研究でも終了する時間がいつも遅くなってしまう。これは勉強では学んだことが十分頭に残らないだろうし、研究では失敗をしてしまう可能性があり、早急に改善しなければならない癖だと自分でも思う。今後は、やるときはやり、遊ぶときは遊ぶといったメリハリをはっきりさせることを心掛けた生活を送れるように努力したい。そうすれば自分の時間をしっかりと確保し、時間に追われることなく勉強や研究を行うことができるであろう。

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