スロベニア研修

活動報告

Ljubljana_grouppic.JPG3月4日から10日にかけて、履修生6名がスロベニアでの研修に参加しました。繊維学部の協定校である、リュブリャナ大学自然科学部マリボル大学機械工学部との学生間交流を図るとともに、海外特別実習(アカデミック・インターンシップ)実施先の候補として、各大学で行われている研究について学び、また、スロベニアという国を知ることを目的として実施されました。


UofL_workshop.jpg学生参加報告書 倉沢進太郎(2年)
1:参加の目的
 スロベニアの二つの大学であるリュブリャナ大学およびマリボル大学を訪問し、両大学と繊維学部とで研究や文化に関する学生ワークショップを開催する。これによって互いの学生間交流の促進を図る。
 また、リュブリャナ大学・マリボル大学の両大学は海外特別実習(アカデミックインターンシップ)の選択肢として有力な候補である。教員や学生による研究紹介、実験設備や学生寮などの見学を通して、両大学での研究・生活環境を把握し、他学生に実習先として紹介できるよう学ぶ。

2:得られた課題
 今回の訪問先スロベニアは 昨年度に訪れた国オーストリアの隣国である。近しい文化を持つものとして予想していた。事実、スロベニアはオーストリアだけでなくイタリアやローマに占領された歴史もあり、強く影響を受けていると分かった。そのため、スロベニアの建築はオーストリアのそれと同じ様式であるという。しかし、俄に違いがわからなかった。写真を振り返れど判然としない。等しく、ヨーロッパの建築は装飾過多な箱型の建物と思ってしまう。勿体無いことであった。今後、海外研修やアカデミックインターンシップが続くであろうことを考えると、次の機会までにそういった知識を蓄えておきたい。貴重な機会をより有意義に使う、一助としたいのである。

Ljubljana_strolling.jpg デムシャー教授による授業がリーディングプログラム履修生対象に繊維学部で行われたことがある。その際には学生が"今後の人生のプランの大枠を説明する"ようなプレゼンを行う機会があった。そこではある程度の評価を頂いた。そのため、今回スロベニアに持ち込んだプレゼン内容はある程度それに沿った、砕けた内容を準備した。現実にはそう毎度想像のように上手くはいかないものであった。思い起こせば、評価の言葉を頂いたのはデムシャー教授に同行したサーシャさんであった。そのサーシャさんは今回不在。明らかにステージの色が違うのであった。"個々人の人格は国の色を反映するとは限らない"とは分かっていた。しかし、無意識のうちに誤解しステレオタイプのイメージを造り、思い込んでいたのかもしれないと反省した。

 今回の訪問には預け荷物最大サイズのスーツケースを持っていった。荷物を沢山持とうとしてのことだった。これまでの海外訪問ではそこまで大型のものを持っていかなかったため、問題にはならなかったのだが、今回は重量制限にかかる重量まで荷物を入れてしまうことができた。加えて、航空会社毎の荷物の制限もよく分かっていなかった。超過料金を"少し"支払えばどうにでもなるものと考えていた。実際の復路では現地で鞄を購入し、小分けにすることで重量を抑え、2個手荷物を預けて事なきを得た。単に物を知らぬだけと一笑に付しても良いかもしれない。けれども、これまでの海外訪問が全て団体旅行であり、自分が与り知らずとも誰かが助けてくれたからこそであった。数もこなし、慣れてきたものだと無意識に自惚れていたのかも知れない。もっとよく足元から確認すべきことがあるのだろうと考え直した。

UofM_workshop.jpg3:得られた成果
 リュブリャナ大学では2本のプレゼン発表を行った。「自分の研究について」及び、「信州大学の紹介」について報告した。これまでにも着席した状態の発表など、幾つかの場所でプレゼンを行ってきた。しかしながら今回は事前に発表資料を送付するようになっており、更に発表に用いるパソコンは発表の立ち位置から離れた場所にあった。恥ずかしながら、これまでの英語でのプレゼン発表は全てパワーポイントの"発表者ツール"を用いて行ってきた。日本語でも言うべき内容が咄嗟にでない、ということはままあるのである。英語ともなれば尚更であり、常に頭の中は白いかもしれない。だからこそ、これまでには欠かすこと無く準備をし、メモ欄にまで念入りに記入を行ってきた。それにも関わらず、今回は発表中にメモを見られなかった。立ち位置からパソコンは遥か遠く、内容はおろか画面すら見えない。焦った。焦りに焦った。日本人の中では発表は先頭であり、打つ手を考える時間もなく、徒手空拳にて望まざるを得なかった。幸いにして、自叙伝に書き記すような大恥を書くことはなかった。愚直に重ねた練習が助けてくれたのである。結果、ディミトロフスキー先生においては「今後、スロベニアに来ることがあれば是非、機材も持ってくると良い。被験者になってあげよう。」とまでお言葉を頂いた。大変にありがたいことであった。

 飛行機の乗り換えを初めて行った。ただでさえ不安な飛行機を乗り継ぐなど正気ではいられないと、かねがね思ってはいたが、存外に行うは易しいものだった。往路では2度のボディチェックがあったものの、復路では一度だった。どういった力関係によるものかと想像を巡らせた。伴って、空港の電光掲示板を初めて真面目に見た。まだ時間はかかるが以前ほどの拒絶反応はないかも知れない。

on-a-bridge.jpg4:どのように活用するか
 マリボル大学のアレクサンドラ・ロブニク教授の研究内容は、我々の研究内容とかなり似通った部分があることが分かった。論文などを探して参考にしていきたいと思う。

 スロベニアは気候も日本に近いものがあり、日本人は過ごしやすい土地だと感じた。また、日本人を比較的歓迎している雰囲気すらあった。残念ながら、既にインターンシップ先は決まりつつあるため、第2候補くらいに据えることになるが、大変な好印象を抱いた。これからの学生には適地だと紹介していきたい。

【写真撮影:倉沢進太郎、事務局】

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