ヨーロッパにて海外研修を行いました

活動報告

プログラム生11名は、3月7日から3月14日までの間、リーディングプログラム海外研修として、信州大学繊維学部と交流協定を結んでいるフランスの国立繊維工芸工業高等学院(ENSAIT)、ベルギーのゲント大学工学部、イギリスのマンチェスター大学素材学部を訪問しました。いずれも多様な価値観に寛容で留学生の受入が盛んに行われ、国際性豊かな校風を感じました。各大学講義への聴講、施設見学及び学生のワークショップを行った、今回の研修の目的は、プログラム3年次に行う海外特別実習の実習先の選定のため、実験設備の見学や、現地の学生との交流を通じて海外の大学で行われている研究や大学の様子を知ることにあります。

【ENSAIT】Workshop.jpg
一日目
プログラム履修生による信州大学における学生生活と長野県の文化を紹介しました。この時期はほとんどのENSAITの在学生は企業のインターンシップに出向いていたのですが、留学生の話を聞くことができました。留学生達がENSAITに来た理由として、ここが繊維技術で有名であること、それに関連したR&Dに入りたいということが分かり、留学生の志の高さを実感することができました。
二日目
現地の大学で講義に参加しました。講義の内容はファッションの産業について、主にAI(人工知能)やインターネット上の電子情報を応用したマーケティング戦略を学びました。例として、デジタルを用いて自分好みの服やインテリアを作製してインターネットで注文するビジネスについて学びました。このようなシステムがあることは信州大学でも聞いていましたが、現地ではそれを実践して利点・弱点を分析することまで行っており、より実学的な講義を体験することができました。
この研修には同じくプログラム生で、現在ENSAITに留学しているプログラム1期生の片山杏子さんも両日、参加しました。片山さんからENSAITの留学生活と自身の近況を聞くことができ、ENASITの今の状況や教育のシステムについて知る、有意義な機会となりました。

【ゲント大学】
presentaion.jpg ゲント大学では講義の参加と施設の設備見学をしました。講義は炭素繊維について英語で行われ、現地の学部生に混ざって行いました。講義の風景は信州大学のそれとは大きく変わった感じはしませんでしたが、英語の講義に苦慮しているゲント大学の学生は見られませんでした。欧州とはいえ英語が母国語ではない国の学部生が当たり前の様に英語を扱えることに対しては日本も見習うべきだと感じました。休憩後はその学部生達と交流することができ、英語による実践的なコミュニケーションの機会となりました。講義の後、ゲント大学の教授のご厚意でナノファイバーを作製する設備を見る機会が与えられました。多くのプログラム履修生がナノファイバーの分野に携わっており、興味深く見学することができました。この後も主に繊維製品の試験を行う装置を見学し、グラウンドの人工芝の物性検査も行われていました。

【マンチェスター大学】
繊維の紡糸機等、歴史ある繊維製造機械を見学しました。マンチェスター大学は規模が大きく、所有している機械の台数とそのスペースはまるで工場の様でした。その後は、プログラム生による信州大学と長野県の文化の紹介とマンチェスター大学の教授らと意見交換を行いました。その後はマンチェスター大学の学生の案内によるキャンパスツアーが始まりました。ツアーではこの大学の規模の大きさを実感することは勿論のこと、長い歴史を誇る大学でありながら、留学生の受け入れに寛容で国際色豊かな校風を感じました。また、大学には境界が無く、町の一部といっても過言ではないくらい都市に馴染んでいる印象を受け、日本では見受けられない大学の在り方を実感することができました。

後記Gent.jpg
今回の研修ではいずれの都市にも博物館があり、特に寄付で成り立っているイギリスの博物館は、無料で入れる所があり、観光と教養に力が入っていると思いました。これぞ日本には無い海外らしさと思ったのですが、上田市にも博物館や展示館があったことを思い出して私自身、日本について知らないことが多いと気付きました。このことを受けて、海外の博物館が盛んなのは、きっと自国についてどこが優れているかがはっきりしているからなのだと感じました。外を知ることで見聞を広めることを目的とした研修でしたが、自らのことをより深く知ることで外の世界との違いが明確になることも感じさせてくれた研修でした。

(リーディングプログラム3年 石川 浩章)

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