第3回工場研修(愛知県) 2/3

活動報告

2.中伝毛織株式会社

次に、昭和35年創業、主に毛織物・化合繊織物・ニット服地を製造・販売するテキスタイルメーカーで尾州地区に於いて、婦人服地部門では永年トップ企業の地位を維持する中伝毛織株式会社を訪問しました。中島社長より繊維業界の背景、産地の特色、さらに会社の概要説明と織機設備(ションヘルからドル二エまで)の導入背景の説明がありました。また、関連会社の海外工場・国内染色整理企業のグループ化の意義にいて自らの言葉で熱意と共に、学生に伝えてくださいました。

ウールをベースとする高級婦人テキスタイル分野ではイタリアと共に二大産地を形成している尾州地区に於いて、テーブルメーカーとは一線を画した中伝毛織株式会社は、関連会社である紡績・染色・整理企業郡を含め企画・製造・販売のプロダクションシステムを構築している産地内でも特異な企業です。

これまでの量の時代から質の時代への変化を先取りしながら、独自の形態をとって、会社を発展させてきており、中島社長の経営に対する姿勢やエネルギーを学生達は感じ取れたはずです。また、中島社長から、「次世代に技術を伝え、日本に残していかないといけない」という教育の面での課題や、機械の導入に際してのリスクなど、経営者ならではの貴重なお話を伺うことができました。

工場では、製織の準備工程である整経(国内でも数少ない部分整経機も含む)からドローイング(ドロッパーマシン)・オリジナル多目的ワインダー・織機(ションヘル・ドル二エ・ピカノール・スルザーと伝統的織機から革新織機まで更にカラミ装置・耳ネームジャガード)と工程に沿い見学し、多くの独創性に富む機器群に感銘を受けました。

3・タキヒヨー株式会社一宮工場

タキヒヨー株式会社は、宝暦元年(1751年)創業の老舗繊維専門商社です。しかし、「ものづくりが商売の原点」であるとの考えから糸の開発からテキスタイルの試作までを可能とする拠点として一宮工場を立ち上げられました。研修第1日目の最後として、この一宮工場を研修先とし訪問いたしました。

工場内には紡績関連機械(オープナー・調合機・カード機・英式紡績機 等)及び織物関連機械(耳ネームジャガード付きションヘル織機等)が設置されており、「ウールや綿等の原料のワタがどの様に紡績され糸となり織物となるのか」を理解できる貴重な実学の「場」でした。この一宮工場の立ち上げには、「尾州の丁寧なものづくり」を見直し「ものづくりを考える」ためのマザーファクトリとしたいとの経緯もあったそうです。希少価値の高い英式紡績機械からションヘル織機まで丁寧にご説明くださいましたと共に「テキスタイル開発技術者」の夢につきましても伝えて頂きました。

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