エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクトは、2014年3月をもって終了いたしました。
長きにわたり、ご支援、ご協力を賜りありがとうございました。

野口 徹チーム

野口 徹チーム
チーム概要

ENCsによるセルレーションナノアロイの理論構築と応用研究により、多分野へ実用化展開

研究内容を見る

チームリーダーからのメッセージ・プロフィール

氏名 野口 徹
所属 エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点 地域卓越特任教授
野口 徹

CNTとゴム・エラストマーなどの複合系ではCNTの均一分散が困難なため十分な効果がないとされてきました。近年、当グループは、均一分散の概念を覆し、まず第一に解繊という概念を導入する方法を弾性混練法で成功しました。ここで得られた複合系(ナノアロイ)はCNTとマトリックスとの界面相による立体的連続空間(ナノ空間)を形成し、色々な特性がジャンプすることを発見し、その際に生じる視覚的な構造的変化の観察から、この現象にセルレーション(Cellulation)という名を与え、このナノ空間理論の研究と、技術の応用を研究しています。
ゴム系マトリックスでは、石油分野、自動車分野、バルブ分野などのシーラントとして、特に石油分野では世界中の15以上の油田で成功を収め、量産を開始しています。また、高強度・高耐久・高耐薬品を要求される半導体分野、タイヤ・キャタピラ、免震ゴムへの適用を研究しています。
また、樹脂、アルミニウム、セラミックスなどのマトリックス系でもセルレーション現象が見出され、現在基礎的な試作・研究を行なっています。
この技術は国内で200件以上の特許出願(既に50件以上が登録)、海外でも積極的に特許出願し多くが成立しています。
理論研究においては、各分野の世界的なトップジャーナル(Advanced Functional Materials, ChemSusChem, ACS Nanoなど約30報)に論文が掲載され、Cellulationはナノ空間研究分野における世界の共通語となりました。
現在ではさらにCNT、グラフェンなどに異種原子を導入したENCsを用い、さらに新規なポリマーとの組合せによって全く新しい素材の創出を目指して研究しています。
研究だけに留まらず、ポリマー以外の金属・セラミックスも含めて一つ一つの材料、部品、システムを実用化することが当グループの目標です。

遠藤守信教授とともに、セルレーション現象を発見、および理論を提唱。信州大学のCNT技術を基に、CNT/セルレーション技術の応用に成功。耐熱性・耐久性・耐薬品性を飛躍的に革新した素材を創成し、石油開発技術に応用、世界中の油田で成功を収めている。ゴム、樹脂、金属などに本技術を適用。

経歴

平成20年10月1日~現在
信州大学 カーボン科学研究所 客員教授

平成22年 4月1日~現在
信州大学 エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点 地域卓越特任教授

受賞歴
著書

チームメンバー紹介

研究者・研究チーム紹介