エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクトは、2014年3月をもって終了いたしました。
長きにわたり、ご支援、ご協力を賜りありがとうございました。

未来へのビジョン

今後10年で様変わりするであろう私たちの生活。
省資源・省エネルギーがますます求められ、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリングの果たす役割は一層深く、強くなることでしょう。そんな時代背景の中で生まれた「エキゾチックナノカーボン」は、未来の私たちの生活に、革新的な変化をもたらし貢献する"夢の新素材"と言われています。

カーボンナノチューブ(CNT)を中心とするナノカーボンの構造を制御し、異種原子を組み合わせることによって、その性質は大きく変化します。炭素原子素材の持つ本来の性質とはかけ離れた応用範囲の広い新素材、それが「エキゾチックナノカーボン」です。カーボンナノチューブ(CNT)の持つ様々な構造、そこに組み合わせるイオンや原子。その組み合わせ次第で、様々な可能性をはらんだ素材を生み出すことができるのです。

非常に軽く、極めて強靭。電気伝導性が良好であるなど、その様々な性質が生みだす可能性は、環境・エネルギー分野、バイオ・医療分野、航空・宇宙、次世代自動車と多方面におよび、革新的なイノベーションを実現するもの。「エキゾチックナノカーボン」が新しい未来を拓く鍵を握っています。

航空宇宙分野
宇宙エレベーターの可能性 地球と36,000km上空の静止軌道を回るステーションをCNTやENCsを撚って作ったワイヤーで結んで物資や信号輸送を行うという構想がある。 CNTやENCsは、スチールの数十倍の強度をもつためその可能性を有している。

航空宇宙分野
次世代自動車分野
産業の飛躍的向上 蓄電率の高い素材の開発は、燃料電池性能の飛躍的向上をもたらし、ハイブリッド車・電動自動車に活用可能。 既に、自動車バッテリーの鉛電池にCNTを入れると寿命性能が2倍になることが明らかになっており、またリチウムイオン電池ではすでに大きな貢献を果たしている。
次世代自動車分野
 
バイオ・医療分野
医療機器への活用 強靭な性能を利用して耐摩耗性の高い素材を創造したり、軽く強くしかも体内に入れても血栓ができにくい機能を利用して人工血管や人工胃等の医療機器への活用を図ったり、非常に幅広い活用の道が開ける先端素材として注目されている。
バイオ・医療分野
ナノエレクトロニクス分野
コンピュータ技術の革新 周囲の電場や温度に応じて電気伝導性が敏感に変化する半導体的性能を持つものもあり、これを素子として利用すれば、極めて微小な半導体デバイスが製造可能。伝導体や半導体デバイスへの活用の分野では、例えば高性能な伝導透明膜といった新たな素材にも期待が広がる。
ナノエレクトロニクス分野
 
環境・エネルギー分野
エネルギー問題への貢献、 地球温暖化防止 燃料電池やリチウムイオン電池、太陽電池など地球温暖化対策としての環境技術に使える素材としての応用もある。 また既に、石油採掘分野や水道管や揚水管の接合部分に使用する漏水防止用シール材として利用する方法が研究されており、水不足に悩む地域で大きな貢献が期待される。

ENCsは炭素系素材であり、それを効率的に大量生成すれば、地球上の炭素の固定化と水素製造を飛躍的に進め、地球温暖化の防止に多大な効果をもたらす。
環境・エネルギー分野
社会インフラ
耐震・免震システムへの活用 卓越した強度や弾性率を持つ複合素材は、大型高層ビルや原子力発電所などの耐震・免震システムに活用できる。
社会インフラ
 
エキゾチック・ナノカーボンが拓く未来