エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクトは、2014年3月をもって終了いたしました。
長きにわたり、ご支援、ご協力を賜りありがとうございました。

研究内容

新しいハイブリッド・ナノカーボン材料の創生と、グリーンエネルギーや環境分野、ナノ複合物、新世代のエレクトロニクス・センサーのための様々なデバイスの製作を目標に研究を行っています。

ハイブリッドナノカーボン材料の合成

ハイブリッドナノカーボン材料の合成

ホウ素、炭素、窒素の原子性質が似ていることから、お互い代替でき、六角形層状の半導体構造を作ることができます。図で示すように、グラフェンから始まり、ホウ素を代替品として使うと、p型グラフェンが得られ、窒素を代替品として使うと、n型グラフェンが得られます。 あるストイキオメトリで、BC3, B2C, CN3のようなC-BやC-Nのバイナリ化合物を合成することもできます。このストイキオメトリの全ては特定の電子構造と特徴を持ちます。BとNが全てのCを代替すると、BNの六角形構造が構成され、一部分のみのCを代替するとBCNハイブリッド構造が構成されます。

この研究では、われわれは新規のハイブリッドナノカーボン材料の合成、特徴、応用について検討しています。

エレクトロニクス、センサー、動的システムのためのマイクロ・ナノデバイス製作と解析

CNTとグラフェンのような材料は、従来のシリコンデバイスと銅配線に比べて大きな利点があります。

この研究では、ナノカーボンを利用して新しい世代の集積回路を開発します。そのほかに、われわれは、ナノ構造・集成体を利用してセンサーネットワークシステムの様々な構築方法について検討します。

ナノカーボンベース高効率光電力貯蔵マイクロデバイスの構築

1次元構造を持つカーボンナノチューブ(CNTs)や2次元構造を持つグラフェンのような低次元性ナノカーボンは、そのナノ構造に由来する特異な物性によって注目され、電子デバイス、エネルギーデバイスとしての高い能力が期待されている物質系である。

本研究では、このナノカーボンを軸として、太陽電池、蓄電デバイス、光反応、ナノ構造に関する研究者の協力によって、ナノカーボンの特異性を理解するとともに、グリーンイノベーションを牽引する、ナノカーボンによる高機能デバイスの構築を目指す。

基礎となる具体的なデバイスは光起電力セル(太陽電池)、スーパーキャパシター、および光反応触媒である。これらはそれぞれが重要なグリーンイノベーションデバイスであるばかりではなく、太陽電池によって生成したエネルギーをスーパーキャパシターによって貯蔵し、エネルギー消費のピーク時に使用可能とするなど、互いを組み合わせた新規デバイスの構築も期待できる。

研究者・研究チーム紹介