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博士課程 医学系専攻

生理学

概要

内皮細胞を中心とした血管機能の調節メカニズムを解析することにより、循環器系の生理的、病態生理的な機能調節とその破綻を明らかにする。
これを端緒として、加齢に伴う生体制御機構破綻のメカニズムとその本来の役割を明らかにし、さらには、その知見を応用した、新しい診断、予防、治療手段を開発することを目指している。

研究テーマ

病態下での血管内皮機能異常の原因解明を目指し、内皮細胞の酸化LDL受容体LOX-1を発見した。動脈硬化発症にはLDLコレステロールが重要だが、実際にはLDLが変化した酸化変性LDLが内皮機能を変化させることが明らかとなっていた。そして、その作用点である酸化LDLの受容体の同定がこの領域の研究の焦点となっていた。LOX-1の発見はこのような学術的問題を解決するものであった。

以後LOX-1を研究の中心に据え、抗LOX-1中和抗体や、LOX-1遺伝子ノックアウトマウスなど利用し、血管内皮機能障害、動脈硬化、心筋梗塞、バルーン傷害後血管再狭窄、エンドトキシンによる炎症、関節炎などの病態モデルでのLOX-1の病態促進的役割を明らかにした。そして、高血圧ラットSHRSPで血管壁脂質沈着の短期間評価系を確立し、酸化変性LDLおよび高脂肪食がLOX-1を介して、血管透過性を高めることにより脂質沈着を促進することを示した。

一方で、LOX-1のリガンドである変性LDLの独自の定量法を構築したうえで、マウスで変性LDLを低下させる処置をすることにより、動脈硬化の進展が抑制されることを示した。さらに約2300名対象の11年間のコホート研究により、変性LDLが高い人では動脈硬化性疾患の発症リスクが高まり、特に脳梗塞では3倍以上と高血圧に匹敵する危険因子であることを明らかにした。

そこで動脈硬化抑制手段を得るため、食品素材からLOX-1阻害物質の探索を行った。その結果プロシアニジンがLOX-1を蛋白、細胞レベルでブロックし、経口投与すると血管壁脂質沈着を抑制することを明らかにした。

このようなリポ蛋白質関連リガンドに軸足を置いた研究の一方で、LOX-1がアポトーシス細胞や活性化血小板と結合すること、また、LDLと独立した虚血性心疾患の危険因子として非常に注目を集めているCRPがLOX-1に結合し、血管透過性を亢進させたり、補体系を活性化することによって炎症を促進することを明らかにした。

現在、LOX-1の疾患における意義が明らかになるに従い、臨床応用を目指したトランスレーショナルリサーチが視野に入ってきている。また、多くの国際共同研究により世界レベルでの研究ネットワークが構築、発展してきている。このような基礎研究からその応用を通じて社会にいたるまでの垂直方向の協業と、国際的な水平方向の共同研究を通じ、世界にアピールできる研究を行っている。

スタッフ

教授

沢村 達也

講師

藤田 佳子

その他

2名

研究室の所在及び連絡先

教室の所在地 : 医学部基礎棟2階
連絡先 : sawamura(at)shinshu-u.ac.jp

主要な成果/Major Publications

  1. Chan, H.C., Ke, L.Y., Chu, C.S., Lee, A.S., Shen, M.Y., Cruz, M.A., Hsu, J.F., Cheng, K.H., Chan, H.C., Lu, J., Lai, W.T., Sawamura, T., Sheu, S.H., Yen, J.H. and Chen, C.H.: Highly electronegative LDL from patients with ST-elevation myocardial infarction triggers platelet activation and aggregation. Blood, 2013, 122:3632-3641.
  2. Fujita, Y., Yamaguchi, S., Kakino, A., Iwamoto, S., Yoshimoto, R. and Sawamura, T.: Lectin-like oxidized LDL receptor 1 is involved in CRP-mediated complement activation. Clin Chem, 2011, 57:1398-1405.
  3. Inoue, N., Okamura, T., Kokubo, Y., Fujita, Y., Sato, Y., Nakanishi, M., Yanagida, K., Kakino, A., Iwamoto, S., Watanabe, M., Ogura, S., Otsui, K., Matsuda, H., Uchida, K., Yoshimoto, R. and Sawamura, T.: LOX index, a novel predictive biochemical marker for coronary heart disease and stroke. Clin Chem, 2010, 56:550-558.
  4. Fujita, Y., Kakino, A., Nishimichi, N., Yamaguchi, S., Sato, Y., Machida, S., Cominacini, L., Delneste, Y., Matsuda, H. and Sawamura, T.: Oxidized LDL receptor LOX-1 binds to C-reactive protein and mediates its vascular effects. Clin Chem, 2009, 55:285-294.
  5. Mehta, J.L., Sanada, N., Hu, C.P., Chen, J., Dandapat, A., Sugawara, F., Satoh, H., Inoue, K., Kawase, Y., Jishage, K., Suzuki, H., Takeya, M., Schnackenberg, L., Beger, R., Hermonat, P.L., Thomas, M. and Sawamura, T.: Deletion of LOX-1 reduces atherogenesis in LDLR knockout mice fed high cholesterol diet. Circ Res, 2007, 100:1634-1642.
  6. Inoue, K., Arai, Y., Kurihara, H., Kita, T. and Sawamura, T.: Overexpression of lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 induces intramyocardial vasculopathy in apolipoprotein E-null mice. Circ Res, 2005, 97:176-184.
  7. Honjo, M., Nakamura, K., Yamashiro, K., Kiryu, J., Tanihara, H., McEvoy, L.M., Honda, Y., Butcher, E.C., Masaki, T. and Sawamura, T.: Lectin-like oxidized LDL receptor-1 is a cell-adhesion molecule involved in endotoxin-induced inflammation. Proc Natl Acad Sci U S A, 2003, 100:1274-1279.
  8. Kakutani, M., Masaki, T. and Sawamura, T.*: A platelet-endothelium interaction mediated by lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1. Proc Natl Acad Sci U S A, 2000, 97:360-364.
  9. Oka, K., Sawamura, T., Kikuta, K., Itokawa, S., Kume, N., Kita, T. and Masaki, T.: Lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor 1 mediates phagocytosis of aged/apoptotic cells in endothelial cells. Proc Natl Acad Sci U S A, 1998, 95:9535-9540.
  10. Sawamura, T., Kume, N., Aoyama, T., Moriwaki, H., Hoshikawa, H., Aiba, Y., Tanaka, T., Miwa, S., Katsura, Y., Kita, T. and Masaki, T.: An endothelial receptor for oxidized low-density lipoprotein. Nature, 1997, 386:73-77.

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