研究内容

信州大学医学部皮膚科では下記のようなテーマを中心に研究を行っています。現在、海外からの留学生1名の大学院生を含め、医局員がそれぞれのプロジェクトに取り組んでおり、週1回の研究ミーティングの場を持っています。国内留学や海外留学も希望に応じて行うことができます。研究成果は、日本研究皮膚科学会や日本癌学会、日本免疫学会などにおいて発表するとともに、学術誌に掲載されています。

画像検査

これまでダーモスコピーや高周波エコーを用いた皮膚腫瘍の画像診断の分野で世界をリードする研究を展開してきました。現在は新たな診断機器の開発やAIを用いた診断ツールの開発を行っています。

  • ダーモスコピーによる色素性病変診断アルゴリズムの確立
  • 色素性病変の新たな診断機器の開発
  • 皮膚腫瘍の画像解析
  • 画像診断学習システムの確立

腫瘍のゲノム解析

これまでメラノーマの増殖に関わる遺伝子の変異について解析を行ってきました。現在、当科のデジタルPCRや共同研究施設の次世代シーケンサーを活用し、幅広く皮膚腫瘍の診断や治療ターゲットの開発に挑んでいます。

  • メラノーマの遺伝子解析
  • メラノーマの循環腫瘍細胞の同定と解析
  • メラノーマの循環DNAの解析と病勢評価
  • 爪の色素性病変におけるメラニン定量解析

メラノーマのウイルス療法における抗腫瘍免疫応答の研究

現在、当科が東京大学と共同開発中のウイルス療法に付随した研究として、治療中の抗腫瘍免疫応答を研究しています。研究成果を治療効果の裏付けとして研究開発に役立てます。

  • 治療前後の腫瘍組織の解析
  • 治療中の血液マーカーの解析

炎症性皮膚疾患における免疫学的研究

皮膚の代表的な炎症性疾患である乾癬やアトピー性皮膚炎などにおける、表皮ケラチノサイトと免疫の複雑なネットワークを研究しています。これまでにアトピー性皮膚炎のかゆみのメカニズムの一端を明らかにしました。研究成果をこれらの難治性疾患の治療に役立てることを目指しています。

  • 乾癬表皮におけるE-FABP発現解析
  • 乾癬やアトピー性皮膚炎の病態に関わるシグナルの解明
  • アトピー性皮膚炎のAhRシグナルを介したTh2免疫応答とかゆみのメカニズムの解明

分子標的薬による皮膚障害のメカニズムに関する研究

近年開発が進んだ分子標的薬は各種がんの治療に幅広く活用されている。チロシンキナーゼ阻害薬やマルチキナーゼ阻害薬には皮膚障害の副作用があり、このうち痤瘡様発疹は強い痒みや痛みを伴い苦痛の強い副作用1一つです。当教室では痤瘡様発疹の発症メカニズムを研究し、治療に役立てることを目指しています。

  • 脂腺細胞をもちいた分子標的薬による炎症性シグナルの変化の解析
  • 分子標的治療中の皮膚水分量、皮脂量、等の変化の解析
  • 痤瘡様発疹の重症度と相関する因子の探索

主な論文や著書など

研究業績・論文

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