教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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中国関係

杭州便りその22

天目山路の蘭州ラーメン店

私の杭州滞在も残り一ヶ月を切りました。ここらで自らに課した禁を破って、食べ物の話を久しぶりにしたいと思います。以前、この「杭州便り」のなかで、日本式のラーメン屋をよく利用していると書きました。若かったですね。愚かでしたね。やはり中国では、中国のラーメン屋が一番です。寒くなってから、盛んに中国のラーメン屋を利用しています。ほとんどの人にとっては本当にどうでもいい話だと思いますが(でも、史跡の話よりは興味があるでしょ?)、個人的なランキングを発表したいと思います。  まず、街中の至る所で目にする「蘭州ラーメン」系から。どの店も一番基本的なメニューは「牛肉拉麺」で、香辛料の効いた透き通ったスープと、注文を受けてから拉して作る麺がとてもおいしくて、一番よく食べています。値段も安くて、100円(日本円)以下で食べられる店がほとんどです。また、ゆでた麺に独特の香辛料で炒めた羊肉と野菜をぶっかけた「孜然羊肉盖浇面」というメニューも極めて美味です。西渓路の専家楼斜め前の店も黄龍体育中心東向かいの店も南山路湧金門前の店もおいしいと思いますが、個人的には、天目山路と金祝北路の交差点辺りにある店がイチ押しです。

西渓路・忠儿面館

 「非・蘭州ラーメン」系で言えば、わが縄張りの西渓路にある「松木場面館」と「忠儿面館」を推したいと思います(どちらも保俶路寄り)。私は根性無しですので、正直に言って、入るのを何度もためらいました。そんな店構えなのです。でも、二軒とも、お昼に前を通るといつも客で一杯になっていて、「これでまずいはずがない」と思わされました。実際に入ってみると、お椀を二度見してしまったぐらい、おいしかったです。何事も外観で判断してはいけませんね。何味と表現していいのか私には判断が付きませんが、日本で言えば醤油ラーメンの部類に属するのでしょうか。杭州伝統の面料理に「片儿川」という、筍と高菜の入ったラーメンがあるのですが、それに田ウナギ「鳝」を入れたメニュー(正確なメニュー名は失念)、およびゆでた麺に具と調味料を和えた「拌川」というスタイルの料理(バリエーションが豊富)が、「松木場面館」ではお勧めです。「忠儿面館」は保俶路にも店があって、そことの記憶が混線しているのですが(保俶路店も「うまい」です!)、海鮮系の具があれこれ入った「三鮮面」や具が豚レバーの「猪肝面」を推しておきます。

馬塍路・好妈妈

 もう一つ、きれいな店構えだったため、こんな私でも比較的早くから利用している店に、「好妈妈手擀面」という店があります。「よいお母さんの手延べ面」という意味のこの店はチェーン店のようで、私が行くのは馬塍路という通り(の、天目山路と文三路の間)にある店です。ここに、「東陽沃面」という、日本で言えば「あんかけうどん」のような麺料理があるのですが、これが私の大好物です。他のメニューももっと試せばよいのですが、完全にはまってしまって、ここに行くとこればかり食べています。  以上の四軒が私のお勧め店で、個人的にこれらを「杭州ラーメン四天王」と呼んでおります。もっとも、杭州に詳しい方はすぐにおわかりのように、すべて非常に狭い範囲内にあり、とても偏った選別になっています(有り体に言えば、私の徒歩圏内の店)。その点はご了承ください。

 信州に来る前は、福岡県北九州市小倉南区に住んでいました。今でも、この世で一番美味しいラーメンは、小倉の豚骨ラーメン(「博多」と言わないところに、「小倉」への思い入れを感じてください)だと思っています。しかし、そういう頭の中の「ラーメン」というフレームを外して、杭州で食してみると、ここ杭州の面も実に乙なものです。杭州にお越しになる機会があれば、ぜひお試しください。旅行で訪れた方は、上でご紹介した店よりは、解放路と中山中路の交差点にある「奎元館」に行ってみるのもよいでしょう。杭州を代表する老舗で、この店自体が一種の観光地のようなものです。面以外の料理も美味です。

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