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2019年度「高冷地動物生産生態学演習」を実施しました

お知らせ農場系の実習

キャベツの収穫・箱詰めに挑戦
キャベツの収穫・箱詰めに挑戦
放牧地の管理に挑戦
放牧地の管理に挑戦

1.演習名
 「高冷地動物生産生態学演習」

2.演習の目的
 高冷地という特殊な環境下において、畜産と高原野菜栽培の異なる2つの
 視点から持続可能な農業・食料生産について考える機会を創出することが
 目的である。また、共同作業の重要性を知り、協調性を培う機会を創出す
 ることも目的である。

3.実施日
 2019年8月26日(月)~8月29日(木)

4.実施場所
 農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター(AFC)
 野辺山ステーション

5.担当教員
 濱野光市教授、上野 豊准教授、鈴木香奈子助教、関沼幹夫助手、
 春日重光教授

6.参加人数
 42名
 (信州大学農学部42名)

7.演習内容の概要
 【1日目】JA長野八ヶ岳の集荷場と生産者訪問を実施。高冷地農業への理解を深めてもらうため、講義内容は野辺山の高
 原野菜ブランド発足までの歴史や要因に関するものとした。レポート課題は、①高冷地における持続的農業、②高冷地に
 おける家畜の飼養管理、③高冷地における野菜生産、④高冷地における野生生物の生態、⑤高冷地農業の現状と将来、
 ⑥高冷地農業における6次産業化、のうちから2課題選択することとした。

 【2日目】放牧地管理、牛舎の管理、キャベツの収穫を実施。牛舎の管理は、牛舎内の牛糞の片付けである。放牧地の管
 理は牛の放牧で問題が生じないよう、低木の間伐などを行った。キャベツは収穫し、出荷のために等級別に箱詰めも実施
 した。講義は、持続的農業と食料生産に関する内容で行った。

 【3日目】放牧地管理、八ヶ岳牧場での作業を実施。放牧地管理は前日からの継続。八ヶ岳牧場では乳牛の管理作業を学
 んだ。講義は、動物生殖技術の応用に関する内容で行った。

 【4日目】野辺山、八ヶ岳の野生生物の調査・観察を実施。国立天文台近くの矢出川公園や国立天文台から見える当大学
 の演習林、獅子岩周辺において、絶滅危惧種やその他の植物を観察した。自身の調べたい植物をカメラで撮影し、農場に
 て植物辞典やインターネットを駆使して同定した。その後、午後1時に課題レポートを提出し、演習全行程を終了した。

8. 成果
 8.1. 全体的な評価
 演習全行程において、大変満足した14%、満足45%、普通41%と、参加者の約6割が満足したことが分かった
 (図1左)。有益さについては、大変有益14%、まあまあ48%、普通26%、あまり12%という結果だった(図1右)。
 演習の有益さについては、大変有益であると感じた参加者が少なかったことは、今後の課題である。 演習自体の楽しさ
 について、普段行うことのできなかった作業を学ぶことができたこと、また参加者同士で協力して作業できたこと、な
 どが挙げられる。しかしながら、動物と触れ合う時間が少なかったと感じる参加者が多く、この演習に参加した目的と演
 習内容が異なったようである。これが、大変有益と感じた参加者が少なくなった主要因であると考えられた。

図1_演習の楽しさと有益さについて.jpg

8.2. 各実習内容について
 キャベツ収穫実習は、約8割の参加者に満足された実習であった(図2)。飼育管理実習は、約7割の参加者が満足と回答
 した。野生生物の観察は、約7割強の参加者が満足した実習だった。JA長野八ヶ岳集荷場と農家見学については、約8割
 の参加者が満足し、講義については約6割の参加者が満足したとの結果となった。

 参加者の多くにとって、楽しく有意義と感じたことは牧場視察や作業であったようである。また、JA長野八ヶ岳集荷場や
 農家訪問、キャベツの収穫作業の経験を通し、高冷地野辺山の高原野菜の出荷の仕組みや問題点、生産者の大変さを実感
 することができたようである。

 講義やレポート作成を通して、野辺山の高原野菜栽培の現状に関心をもったり、動物の生殖系に関する知識を得ることが
 できたりしたようである。

 野生生物の観察は天候に恵まれ、矢出川公園・信州大学演習林・獅子岩において十分な観察ができた。高冷地という独特
 な気候によって変化する植物を観察できたことは、高冷地に関心を抱くことにつながったようである。

図2_各実習・講義への評価のアンケート.jpg

8.3. 演習後、興味関心が増した事
 演習後に関心が増した事柄についての回答結果は、家畜が30%、高冷地25%、農業21%、野菜13%、食料5%、環境
 1%、ない5%となった(図3)。

 畜産・酪農と野菜栽培といった異なる視点から、農業を捉えてほしいと演習を実施したものの、演習後に興味関心が増し
 た事が何もなかったと3名の参加者が回答した。理由は、実際に動物に触れることが少なく、興味が湧かなかったためと
 回答している参加者がいた。

 一方で、家畜や高冷地、農業といった事柄に関心が増した理由としては、牧場訪問において実際に乳牛を間近で見て触る
 ことができたこと、JA長野八ヶ岳集荷場や生産者といった現場の方々から現状や問題点について直接聞くことができたこ
 と、キャベツ収穫を自身で体験し、その大変さを知ったことなどが主な要因となったようである。また、講義では知識を
 増やすことができたとの回答もあり、この演習の目的に達することができたと考えている。

 JA長野八ヶ岳牧場や集荷場の関係者ならびに川上村の生産者の協力により、現状の問題点について知ってもらう機会を創
 出できた。現状を自身の目で見て知る事、それが参加者達の高い関心を生み出したことは、演習の大きな成果であったと
 いえる。

図3_演習後に興味・関心が増大した事柄.jpg

9. 今後の予定と改善点
 来年度も同様の時期に演習を実施する予定である。

 この演習は「動物」という名がついているため、3泊4日の全課程において酪農・畜産関連の作業のみを行うことができる
 と考えていた参加者が多かったようである。

 高冷地の野辺山地域はもともと酪農と野菜栽培の複合農業から発展した生産地である。この特徴を知ってもらい、農業を
 広い視野で捉え、考えてもらうことがこの演習の目的であった。しかし、それが伝わり難かったため、来期はプログラム
 の見直しが必要なのではないかと考えている。また、参加希望者に対して、シラバスには記載してあるものの、事前に演
 習目的や実習内容についても、詳細に説明しておく必要性があると考えられた。

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