信州大学

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「気体吸着の基本」に関する講義(金子特別特任教授)

2021.07.12

金子克美特別特任教授による「気体吸着の基本」に関する講義を企画いたしました。
吸着研究の第一人者による吸着の基礎の講義です。
興味のある方はどなたでもご参加ください。


【日時】 2021年7月13日 午後1時~午後4時30分 (途中休憩有)
【場所】 ZOOM
【講師】 金子 克美 特別特任教授(信州大学 先鋭領域融合研究群 先鋭材料研究所)
【参加登録方法】 下記URLより参加登録を行ってください(締切7月13日正午)
https://shinshu-u-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tJ0tcuqqqTkjGdMBirSRo46tgu1uzPcVHG78 

(参加受付は終了いたしました)


吸着現象は極めて一般的現象であり様々な事柄に関連があります。例えば、再生可能エネルギーを普及させるには、定常的なエネルギー供給を保証するエネルギー貯蔵技術が必要です。代表例は畜電池ですが、イオンを吸着し、エネルギーを貯蔵できるスーパーキャパシタも大切です。また、クリーンな燃料である水素やメタンを、どのように安全に高密度貯蔵するかも重要な技術的課題であり、超臨界気体の吸着に関係しています。吸着は二酸化炭素削減にも密接に関係しています。二酸化炭素は亜臨界気体であるために、濃縮などに科学的に斬新な知恵が必要です。吸着は、これら喫緊の課題で重要なだけでなく、環境保全、水、医療などにも関わり、我々の生活を支える基幹学術分野です。このように吸着は大切な基礎科学ですが、大学の講義で十分な時間をかけて議論されていません。
 このテーマに興味のある学生や若手研究者などに、気体吸着の基本を講義させていただくこととなりました。8月2日に予定しているセミナーの基礎となる講義であり、吸着科学の面白さを分かってもらえれば幸いです。(講師より)


講義の内容
●吸着科学の役割
●約30年前からの吸着科学の新たな動き
●気体の性質 超臨界気体と蒸気
●分子間相互作用と吸着
●気体分子と固体との相互作用様式
●ナノ細孔体がなぜ吸着に有利か
●吸着等温線とは
●多分子層吸着とBET表面積
●ミクロ孔への気体吸着 SPE表面積(BETルーチンは使えない)
●メソ孔への気体吸着 吸着ヒステリシス
    ミクロ細孔性固体へのメソ孔付与のメリット
●准メソ孔への気体吸着
●疎水性細孔への水蒸気吸着
●超臨界気体吸着(一般の物理吸着では蒸気が対象)