金翼水教授と韓国・浦項工科大学のCha Hyung Joon教授との日韓共同研究チームは、メルトブロー(MB)不織布からなる市販のN95マスクフィルターとナノファイバー(NF)不織布からなるN95マスクのフィルターを洗浄・消毒して再使用した場合の機能比較を行い、NF製マスクのフィルター性能(ろ過効率)はエタノール消毒を複数回行った後でも衰えないことを実証しました。新型コロナウィルスのパンデミックによって衛生マスクの供給が滞りがちになる中、NF製マスクの場合は家庭でも簡単にできるエタノール消毒をするだけで、複数回の再使用が可能になります。金教授は「第2波、第3波の新型コロナウィルス感染症に備え、NFマスクが感染予防の手段として役立ってほしい」と期待感を語りました。

この成果を取りまとめた論文「Reusability comparison of melt-blown vs. nanofiber face mask filters for use in the coronavirus pandemic (和訳:コロナウィルスパンデミックに使用するメルトブローンとナノファイバーフェイスマスクの再使用性能の比較)」は米国化学会発行のACS Applied Nano Materials誌オンライン版に6月12日より早期公開されています。

※6月17日に行ったプレスリリースの資料は下記よりご覧ください。ナノファイバー製マスクは複数回の消毒を行っても フィルター性能が低下しないことを発見.pdf
※EurekAlert!にも掲載されました。Nanofiber masks can be sterilized multiple times without filter performance deterioration

<図>エタノール消毒後のマスクフィルター性能の比較