国際ファイバー工学研究所望月 建爾助教が、日本物理学会 領域12 (ソフトマター物理、化学物理、生物物理) の若手奨励賞を受賞し、3月22~25日に東京理科大学野田キャンパスで行われた第73回年次大会において受賞講演を行いました (当該領域では被推薦者8名中3名が受賞。受賞題目は「水の相転移に関する研究」)。

研究概要 : 望月助教は、分子動力学シミュレーションと理論化学的手法を組み合わせることにより、水や氷の相転移および臨界現象を分子レベルで解明する研究に取り組んできました。対象となる論文の中で、均質条件下での氷の融解における複雑な水素結合ネットワークの自発的崩壊、および形成の分子機構を明らかにしました。また最近の論文では、カーボンナノチューブの中に閉じ込められた擬一次元空間で現れる水の固液臨界点の存在の示唆や、刺激応答性高分子の共貧溶媒効果の分子機構の解明を行っています。これらの研究はいずれも独創性の高いものであり、他の分野への波及効果も大きいことが評価されました。

望月建爾助教(写真右)