信州大学大学院総合工学系研究科(D3)小林直也氏、信州大学学術研究院繊維学系(繊維学部)新井亮一助教、及び横浜市立大学大学院生命医科学研究科 雲財悟助教らの共同研究グループは、新しいコンセプトで独自の人工タンパク質を用いた「タンパク質ナノブロック(PN-Block)」を開発し、樽型や正四面体型等の複数種類の超分子ナノ構造複合体を自己組織化によって創り出すことに世界で初めて成功しました(図1)。本成果は、今後、ナノテクノロジーや合成生物学研究等への貢献が大いに期待できます。

<本研究成果のポイント>
・独自の人工タンパク質を利用したタンパク質ナノブロック(PN-Block)を世界で初めて開発
・1種類のPN-Block から樽型や正四面体型等の複数種類の自己組織化ナノ構造複合体を創出
・PN-Block戦略は日本発の独自の先進的「分子技術」としてナノテクノロジー等への応用が期待
・今後、さらなるPN-Blockを開発し、自在に組み合わせていくことにより、天然タンパク質では実現できないような構造や機能をもつ人工タンパク質の創製が期待

本研究は、本学大学院総合工学系研究科 小林直也氏、先鋭領域融合研究群 バイオメディカル研究所 新井亮一助教(協力教員)、環境・エネルギー材料科学研究所 佐藤高彰准教授(併任教員)らの共同研究グループにより先鋭領域融合型研究として実施され、米国化学会誌Journal of the American Chemical Society (JACS)の9月9日発行号に掲載されるとともに、特に注目の論文としてJACS Spotlightsに選ばれ、さらに本研究のコンセプトを表現したアートデザインが表紙を飾りました(図2)。また、本研究成果について、9月14日、本学と横浜市立大学で共同プレスリリースを行い、関連記事が同日付でマイナビニュース、翌日付で信濃毎日新聞及び信毎Web等に掲載されました。

さらに詳細については、こちらの「タンパク質ナノブロック研究プレスリリース資料(PDF:923KB)」をご覧ください。

図1:人工タンパク質ナノブロック(PN-Block)による自己組織化ナノ構造複合体の創出

図2:米国化学会誌(JACS) 第137巻35号(2015/9/9発行)表紙デザイン