Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

小林 秋

タイ

初めての長期留学を終えて

小林 秋さん

教育学部 学校教育教員養成課程
留学期間:2025年11月~2026年3月
留学先:チェンマイ大学

留学先大学について

チェンマイ大学はタイの国立大学で、山々に囲まれたチェンマイの中に広大なキャンパスを持つ大学です。学部は17個、学生総数は2万人を超えるとても大規模な総合大学です。敷地面積が4平方キロメートルもあり、チェンマイで有名なドイステープ山というチェンマイの象徴的な山の麓にあります。学年歴は1セメスターが6月から10月、2セメスター目が11月から3月となっています。授業の形式は日本とは少し違って、一科目当たり週に3時間(1.5時間×2)を17週行います。大学には主にタイの学生がタイ語で授業を受けるコースと、交換留学生やタイ国外からの学生を受け入れているインターナショナルコースの2つがあります。インターナショナルコースでは英語で授業を開講しており、私が留学していた時にはクラスのほとんどはミャンマー人、残りの交換留学生はドイツ人、エストニア人、日本人がいました。コロナや国内の軍事的な影響によってミャンマーの教育機関が機能していないため、私のクラスのほとんどはミャンマー人で構成されていました。校舎は学部によって異なりますが、私が所属していた社会科学部は小学校の教室と同じくらいの部屋がほとんどで、大抵のインターナショナルクラスの授業は40人ほどで受講していました。大学の授業としてはかなり少人数で、ディスカッションやプレゼンテーションの機会をたくさん得ることができました。

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学習面について

私の信州大学での専攻が教育だったこともあって、基礎的な知識がないところから授業を始めたことが何より大変でした。特に、Introduction to Southeast Asiaという授業では、東南アジア全体の社会学、経済学、政治学などについて幅広く学ぶのですが、ミャンマー出身のクラスメートは自分たちの住む地域についてはすでに知っており、それを承知している教授はどんどん授業を進めていきます。授業が始まるときに、東南アジアの国をすべて言えないくらい無知だったので、予習で読む論文ですら、読むのに4時間ほど費やしていました。また、教育学部で使ってきた英語(単語や言い回しなど)と社会科学部で使う英語には大きな違いがあったため、英語の面でもとても苦労しました。ほぼ毎回の授業後に教授のところへ行き、質問をする習慣がついていました。学期の後半になると、予習と復習のルーティーンに慣れてきて、授業の理解もスムーズになっていきました。とにかく"わからない"という不安をいかに減らすことができるのかが授業を受けていくうえで大切なことでした。友達に質問するときには、インターナショナルクラスの生徒のほとんどが英語のネイティブではないため、授業時のコミュニケーションに苦労することもありました。しかし、非ネイティブだからこそ互いに分かり合おうとする姿勢があって、コミュニケーションの幅が広がったと感じています。

生活について

留学中には旅行やフィールドワークに行く機会がたくさんありました。その中で、私にとってチェンマイはトップクラスに過ごしやすい地域でした。チェンマイは地方都市でありながらバンコクのような都会感はなく、落ち着いた雰囲気とタイらしさを楽しめます。

バスや電車などの公共交通機関は日常生活では使わず、学生は配車アプリを使ってバイクタクシーや車のタクシーを使っていました。タイは円安でもまだまだ物価が安く、3㎞ほどの短い距離であれば100円で済んでしまいます。できる限り歩くことを心がけていましたが、夏の暑い時期などは特にバイクタクシーに頼りきりでした。タイ人もあまり歩くことはないようなので、歩道がなかったり、道が舗装されていないことも多々あります。

私は大学から徒歩20分ほどのコンドミニアムを借りて生活していました。コンドミニアムにはキッチンがなかったため、食事はすべて外食でした。留学に来る前には、毎日外食の生活なんてものは想像していなかったため、ナイトマーケットでご飯を探す時間は毎日うきうきしていました。たまにタイ料理以外が食べたくなった時には、日本食や韓国料理なども手軽に手に入れることができました。そのおかげで、留学した人たちがよく言っている「日本食が恋しい、、」という現象はあまり起きませんでした。

タイ人をはじめ、ほとんどの生徒はアルバイトをしていなかったので、大学の授業後には各々勉強をしたり、ご飯を食べに行ったり、運動をしたりしていました。私は授業を3つしかとっていないこともあって、勉強する時間と放課後に運動する時間のどちらも確保することができていました。一人で行動するよりも友達と行動することが多く、それが結果的に留学生活を充実したものにし、英語でのコミュニケーション能力の向上にもつながったと考えています。

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留学で得たこと

・まずはやってみること

留学開始前は、やりたいことには積極的に挑戦できるものの、苦手なことにはなかなか取り掛かれずにいました。自分のつたない英語やタイ語を使ってみたり、友達を遊びに誘ってみたりと当初はハードルが高いなと考えていたことにも「まずはやってみよう」という気持ちに切り替えることができるようになりました。

・英語はただの道具であること

様々な人とかかわるなかで、人とコミュニケーションをとる際には、国籍や母国語だけでなく個人のバックグラウンドを知る必要があると感じました。ただ単に英語が上達しても、言いたいことはうまく伝わらないこともあります。表情やジェスチャーなども使いながら、自分が言いたいことを的確に伝えられるようにこれからも英語学習を続けていきたいと思います。

・あたりまえを大切にすること

留学中、世界の様々な地域で人々の安全が犯されるような出来事が起こりました。そして、それは今も続いています。留学を通して今まで遠い国の話だと思っていたことをより自分事としてとらえるようになりました。安全に暮らせていること、友達と会いたいときに会えること、おいしいご飯が食べれること。このような些細な事に対しても感謝の気持ちを持つべきだと改めて感じました。

これらの得た学びは知るだけで終わらず、これから活用していくことで初めて意味を持つと思います。残りの学校生活、そしてその後の進路においても今回得た学びを忘れずに活かして行きたいです。

後輩へのアドバイス

日本とは違う環境で暮らすこと、この事自体に大きな意味があります。自分の価値観をアップデートすることにもつながりますし、自分を知るきっかけになることもあると思います。気負わずに"留学に興味がある"という理由からはじめて、徐々に自分なりの目標を見つけていくというのもいいんじゃないかなと思います。みなさんが一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。

応援しています!
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