医療生命科学分野
分野の概要
医療生命科学分野では、博士前期課程の検査技術科学分野の教育・研究内容を発展させ、疾病・障害の病態生理や生体情報に焦点をあてて、病気の予防や健康増進のための科学的エビデンスを構築するための研究を行います。また、医療生命科学分野は各種検査技術の応用を通じて、生涯保健学分野との間に保健学研究における有機的な協働研究体制を築いています。
本分野で研究を行うために、生体の構造と機能の変化及び破綻による病態を個体・組織・細胞・分子レベルで解析する方法を理解し、生体の恒常性を破綻させる病因の解明とその破綻した生体の構造及び機能の修復・再生のための最新の知見を修得します。
その上で、現代人の健康をおびやかす癌・感染症・血液疾患・運動器変性疾患・メタボリックシンドロームなどの病気の原因となる環境要因および遺伝要因を探求し、健康保持と疾病予防のための基礎研究を行います。さらに、疾病発症の分子メカニズムの解析を通じて、疾病を治癒可能な早期に診断するための高感度検出方法の開発研究を行います。
学生数
後期課程 学生数 | 5名 |
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スタッフ
医療生命科学領域 高 昌星 教授 |
【専門領域】 臨床神経学、神経免疫学、神経科学、血液浄化療法学(アフェレシス療法)、再生医学 【研究内容】 国際的難病である中枢神経系の自己免疫疾患である多発性硬化症の発症機序を実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)およびタイラーウイルス誘導による脱髄疾患モデル(TMEV-IDD)を作製することにより、免疫学・分子生物学的に解明し、これら動物モデル疾患の制御法を開発しており、臨床応用への開発にも繋げている。 【主な研究業績】 Nohara C, Akiba H, Nakajima A, Iniue A, Koh C-S, Ohshima H, Yagita H, Mizuno Y, Okumura K: Amelioration of experimental autoimmune encephalomyelitis with anti-OX40 ligand monoclonal antibody: a critical role for OX40 ligand in migration, but not development, of pathogenic T cells. J Immunol, 166(3): 2108-15, 2001. 【連絡先】 kshosei@shinshu-u.ac.jp |
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医療生命科学領域 太田 浩良 教授 |
【専門領域】 診断病理学(消化管病理)、組織化学 【研究内容】 ヘリコバクター感染により惹起される消化管粘膜病変の病態解析および消化管粘膜への分化を示す腫瘍(胃腸型腫瘍)の組織発生と診断について、組織化学的方法論を中心に、分子生物的な方法論等も取り入れ研究を行っている。 【主な研究業績】 Ikeno T, Ota H,Sugiyama A, Ishida K, Katsuyama T, Genta RM, Kawasaki S: Helicobacter pylori-induced chronic active gastritis, intestinal metaplasia, and gastric ulcer in Mongolian gerbils._ _Am J Pathol 154:951-960, 1999. 【連絡先】 hohta@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 相良 淳二 教授 |
【専門領域】 分子細胞生物学、腫瘍学、自然免疫学、モノクローナル抗体開発(診断および細胞工学への応用) 【研究内容】 細胞死(アポトーシス)制御機構の破綻は発ガンや自己免疫疾患の原因になっている。我が研究室で見つけたASCというタンパク質は細胞死と生体防御に関するシグナル伝達経路の構成員であることが近年明らかにされた。ASCの研究をさらに発展させてアトピー、膠原病、リウマチなどの原因解明に貢献したい。 【主な研究業績】 Scapinin, the protein phosphatase 1 binding protein, enhances cell spreading and motility by interacting with the actin cytoskeleton. Sagara J, Arata T, Taniguchi S. PLoS One. 4(1):e4247, 2009. 【連絡先】 sagaraj@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 川上 由行 教授 |
【専門領域】 臨床微生物学、感染制御学(ICD:感染制御室運営委員/長野県新型インフルエンザ対策委員)、化学療法学 【研究内容】 感染病原因子の迅速診断法の開発評価に関する研究および感染病原因子に対する化学療法剤の新規開発と感受性に関する臨床微生物学的研究を行っている。また、良質な医療の保証のために感染制御が重要視されているが、科学的根拠に基づいた論理的院内感染対策を遂行するために必要な手法について実証的研究を行っている。 【主な研究業績】 Matsumoto, T., Matsubara, M., Oana, K., Kasuga, E., Suzuki, T., Hidaka, E., Shigematsu, T., Yamauchi K., Honda, T., Ota, H., and Kawakami, Y. First case of bacteremia due to chromosome-encoded CfxA3 β-lactamase- producing Capnocytophaga sputigena in a pediatric patient with acute erythroblastic leukemia. Eur. J. Med. Res. 13(3): 133-135, 2008. 【連絡先】 yk23724@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 奥村 伸生 教授 |
【専門領域】 臨床化学、遺伝子検査学、免疫検査学、臨床検査学 【研究内容】 臨床検査値に異常を来たすフィブリノゲン異常症・欠損症において、機能異常を解明するためにリコンビナントタンパクを作製し、また、欠損原因を解明するために分子生物学的な方法で研究を行っている。さらに、医学部附属病院臨床検査部と共同で各種血漿蛋白異常症・欠損症の蛋白検査・遺伝子検査による同定を行っている。 【主な研究業績】 Fujihara N, Haneishi A, Yamauchi K, Terasawa F, Ito T, Ishida F, Okumura N. A C-terminal amino acid substitution in the γ-chain caused by a novel heterozygous frameshift mutation (Fibrinogen Matsumoto VII) results in hypofibrinogenemia. Thrombosis and Haemostasis 104: 213-223, 2010.
【連絡先】 nobuoku@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 石田 文宏 教授 |
【専門領域】 血液病学、血液検査学 【研究内容】 血液腫瘍性疾患、特に悪性リンパ腫を対象に、分子病態を理解し、診断・治療法の開発に繋げる研究を行う。 【主な研究業績】 Ishida F, Ko, Y H, Kim, W S, Suzumiya J, Isobe Y, Oshimi K, Nakamura S, Suzuki R. Aggressive NK-cell leukemia: Therapeutic potentials of L-asparaginase and allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Cancer Science 103: 1079-83, 2012 【連絡先】 fumishi@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 日高 宏哉 准教授 |
【専門領域】 臨床検査医学(臨床化学)、代謝学(脂質代謝異常) 【研究内容】 脂質代謝機序の解明およびリポ蛋白・脂質代謝異常症の分析法の開発と病態解析法の研究を行っている。また、リポ蛋白・脂質代謝検査の臨床栄養や健康診断への有用性評価の研究を行っている。 【主な研究業績】 Hidaka H, Takiwaki M, Yamashita M, Kawasaki K, Sugano M, Honda T. Consumption of nonfat milk results in a less atherogenic lipoprotein profile: a pilot study. Ann Nutr Metab. 2012;61(2):111-116. 【連絡先】 0263-37-2368 |
医療生命科学領域 羽山 正義 准教授 |
【専門領域】 病理組織検査学、細胞診検査学、組織化学 【研究内容】 病理組織細胞診断学における新しい検査法の開発および方法論の研究を行っている。主として腫瘍組織における細胞増殖様式および細胞診検体における細胞形態について共焦点レーザー顕微鏡を用いた3次元的解析法の開発に取り組んでいる。 【主な研究業績】 Hayama M, Katsuyama T, Nakayama J, Akamatsu T, Honda T. A combined stain for identifying epitherial cells of the gastric mucosa. Stain Technol,Vol.62,No.1: pp.35-40, 1987. 【連絡先】 qhayama@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 齋藤 直人 教授 |
【専門領域】 整形外科学、リハビリテーション医学、生体材料学、骨組織再生 【研究内容】 1)整形外科の臨床研究 【主な研究業績】 Saito N, Ebara S, Ohotsuka K, Kumeta H, Takaoka K. Natural history of scoliosis in spastic cerebral palsy. Lancet 351: 1687-1692, 1998. 【連絡先】 saitoko@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 藤本 圭作 教授 |
【専門領域】 呼吸機能検査学、睡眠呼吸障害、呼吸器内科学、生理学 【研究内容】 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、睡眠呼吸障害の病態生理学的検討。これらの疾患のバイオマーカーの探索、診断のための新規機器の開発および疫学調査、さらに在宅医療を支援するための遠隔医療情報システムの構築の検討をおこなっている。 【主な研究業績】 1. Kitaguchi Y, Fujimoto K, Komatsu Y, Hanaoka M, Honda T, Kubo K.. Additive efficacy of short-acting bronchodilators on dynamic hyperinflation and exercise tolerance in stable COPD patients treated with long-acting bronchodilators. Respir Med. 107(3):394-400, 2013. (corresponding author) 2. Hayano J, Tsukahara T, Watanabe E, Sasaki F, Kawai K, Sakakibara H, Kodama I, Nomiyama T, Fujimoto K. Accuracy of ECG-based screening for sleep-disordered breathing: a survey of all male workers in a transport company. Sleep Breath. 17(1):243-51, 2013. 3. Kitaguchi Y, Fujimoto K, Ono M, Komatsu Y, Honda T, Kubo K. Usefulness of the measurement of fractional exhaled nitric oxide in asthmatic patients: correlation with pulmonary function, asthma control and health status. Shinshu Med J 59(4): 239-247, 2011. (corresponding author) 4. Agatsuma T, Fujimoto K, Komatsu Y, Urushihata K, Honda T, Tsukahara T, Nomiyama T. A novel device (SD-101) with high accuracy for screening sleep apnoea-hypopnoea syndrome. Respirology 14: 1143-1150, 2009. (corresponding author)
【連絡先】 Keisaku@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 寺田 信生 教授 |
【専門領域】 解剖学、組織学、細胞生物学;蛋白複合体からみた生体の構造解析 【研究内容】 細胞の接着やシグナル伝達に関わる、細胞膜内から膜骨格における構成蛋白を同定する。それら蛋白複合体の生体機能を反映した局在や蛋白間の相互関係、さらに個体レベルでの機能を検討しながら、人体における役割を明らかにする。そのために形態学・細胞組織化学・生化学・分子細胞生物学の基本手技を習得して自由に使えるようにし、さらに顕微鏡などで可視化する解析法の開発も行う。 【主な研究業績】 Terada N, Saitoh Y, Ohno N, Komada M, Saitoh S, Peles E, Ohno S. Essential function of protein 4.1G in targeting of membrane protein palmitoylated 6 into Schmidt-Lanterman incisures in myelinated nerves. Molecular and Cellular Biology, 32:199-205, 2012. 【連絡先】 nobuot@shinshu-u.ac.jp |
医療生命科学領域 寺澤 文子 准教授 |
【専門領域】 病態化学検査学 【研究内容】 先天性フィブリノゲン異常症の遺伝子解析および遺伝子操作による正常、異常フィブリノゲンの発現とその構造・機能解析について研究している。 【主な研究業績】 Terasawa F,Kani S, Hongo M, Okumura N.In vitro fibrin clot formation and fibrinolysis using heterozygous plasma fibrinogen from γAsn319, Asp320 deletion dysfibrinogen, Otsu I. Thrombosis Research 118: 651-661, 2006 【連絡先】 fterasa@shinshu-u.ac.jp |