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成田 充さん (M2)が電気化学会第91回大会にて優秀学生講演賞を受賞

2024.05.17

2024年 3月14日(木)~16日(土)に、名古屋大学東山キャンパスで開催された電気化学会第91回大会において、総合理工学研究科 繊維学専攻 修士課程2年の成田 充さんが優秀学生講演賞を受賞しました。この賞は、優秀な講演をされた学生に授与されるものです。


受賞題目:色素増感半導体膜における極性溶媒分子による色素の溶媒和と半導体-色素界面の電子移動速度の関係


研究概要:色素増感太陽電池は次世代の再生可能エネルギー源として注目されています。発電効率を向上するためには、効率の良い電荷分離と電荷再結合の抑制を達成する必要がある。本研究では、電荷再結合速度を決める要因についてマーカス理論を用いて分析した。マーカス理論によると、溶媒分子の配向が変化するために必要なエネルギーと関連する再配向エネルギーが大きくなるほど、電荷再結合速度は遅くなることが予測される。しかし、色素増感太陽電池に使われる半導体粒子に色素が密に吸着した系においては、その予測に従わないことが知られていた。そこで、色素の吸着密度を低下させ、溶媒分子が色素分子を溶媒和しやすいようにすると、マーカス理論に従う結果となり、約二桁の速度定数の抑制が可能であることが分かった。本研究により、溶媒の誘電特性が電荷再結合速度に与える影響が明らかとなり、色素分子設計指針に新たな視点を取り入れることに成功した。


成田さんからのコメント:このように受賞に与り、大変嬉しく光栄に思います。思い返せば、成果が出ずに苦しい時期に、その当時の現状で妥協してしまいそうになってしまった時に、ご指導いただいた森先生からの激励と適切なアドバイスが今回の成果につながりました。なかなか成長しなかった自分に忍耐強く、自立した研究者となるためのご指導をいただいた森先生をはじめ、苦楽を共にした研究室の皆様に心から感謝申し上げます。今後も博士学生として、さらに前進して参ります。




 電気化学会HP


※本研究に関するお問い合わせは 化学・材料学科森正悟教授(shogmori@shinshu-u.ac.jp)までお願い致します

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