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中野 愛里さん(M2)が第114回日本繁殖生物学会にて優秀発表賞を受賞

2021.10.04


9月21~24日にオンラインにて開催された第114回日本繁殖生物学会において、大学院総合理工学研究科 繊維学専攻 応用生物科学分野 修士課程2年の中野 愛里さん(高島 誠司 研究室) が、学生会員カテゴリーにて優秀発表賞を受賞しました。
この賞は繁殖生物学研究の活性化をはかるため、日本繁殖生物学会大会で優秀な研究発表(講演)を行った学生や若手研究者に授与される賞です。賞の選考については、大会での講演を透明性のある評価基準とシステムによって審査され、今回は12題から10題が1次審査を通過、2次審査(大会での発表)を経て5題が受賞しました。


受賞題目: 生殖細胞特異的糖脂質セミノリピドによる血液精巣関門制御


発表概要: 生物の体を構成する細胞は、その能力を発揮するために、適切な環境を生み出す『領域展開』を行います。身近な例だと、「呪術廻戦」の五条悟・・・失礼しました。血液脳関門が有名で、神経細胞の生存と機能発現に適した領域を展開します。実は精巣にも、血液精巣関門という仕組みがあり、『精子の元になる未熟な精原細胞』と、『成熟して精子になる過程の生殖細胞』それぞれの能力を発揮するのに適した領域を展開します。  今回我々は、この領域展開の仕組みに、生殖細胞自身の細胞膜脂質『セミノリピド』が関与することを発見しました。この分子がなくなると、血液精巣関門の構造が変容し、領域展開ができなくなるのです。我々は今後、この仕組みを制御する手法を開発し、『精子幹細胞移植の効率アップ』『男性向け避妊薬』への応用を目指します。

中野さんのコメント: この度、日本繁殖生物学会において優秀発表賞に選出されたことを、非常に嬉しく思います。ご指導いただいた高島先生・研究室の皆様に感謝申し上げます。不妊は様々な要因が複雑に絡み合って起こります。特に、精子形成において血液精巣関門は重要な構造です。本研究では、セミノリピドという糖脂質が、血液精巣関門が機能を発揮するのに必須であるという現象を解明しました。 メカニズムが不明である不妊という現象を、一歩ずつ解明していく研究の面白さを実感しました。今後はセミノリピドの役割を、より微細な構造に着目して解析をしていく予定です。


 

            左:中野さん  右:指導教員・高島先生

※本研究に関するお問い合わせは応用生物科学科高島 誠司 准教授(stakashi@shinshu-u.ac.jp)までお願い致します

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