物質循環学コース 研究分野

自然を広い観点から見ると,個々の生命を単位とする生物生態系システムと,これを取り巻く物理・化学的法則が支配的な地球システムがあり,環境は,それらの間の密接な相互作用の上に成り立っています.物質循環学コースには,それらに対応した「生態システム解析分野(空間的にミクロな生物生態系システムからアプローチを行う分野)」と「地球システム解析分野」(気圏・水圏・地圏で構成される地球システムからアプローチを行う分野)のふたつの研究分野が設置されています.研究分野の選択は3年生後期の研究室配属時に,研究室選択の一環としてなされるため,低学年次では両分野を総合的に学ぶことができます.

地球システム解析分野

地球システム解析分野の研究におけるキーワード
山岳,気象,雪氷,水循環,水資源,侵食,堆積,地形,地質,大気陸面相互作用,古環境,無機化学
地球システム解析分野の研究内容(例)
〇山岳気象や水圏・雪氷圏における物質循環の研究
〇侵食・堆積による地表環境の形成過程および堆積環境の復元
〇大気-地表面間のエネルギー・物質交換などの地球表層における地球科学的研究
〇降雨に伴う洪水・土砂流出過程の解明と防災に関する研究
〇水資源涵養過程と水資源の持続性に関する研究
〇自然地理学的な観点からの環境汚染・浄化法の模索

より詳細な研究内容は,「受験生向け研究紹介」から各教員のページをご覧ください.

なお,理学部附属湖沼高地教育研究センター所属の教員の研究指導を受けることもできます.
キーワード:諏訪湖,環境化学,鳥類生態系,環境DNA,遺伝,水質浄化

山岳気象観測

雪氷圏水文調査

露頭調査

この分野の教員紹介

村越 直美

自然界には美しいものがたくさんあります.とくに惹かれるのは堆積物にみられる縞模様です.『しましま』が意味するものを研究しています.

岩田 拓記

大気と生態系との間の物質交換の研究をしています.例えば,森林生態系は大気と二酸化炭素や水蒸気を交換していますが,その交換は日射や気温などの環境変化に応答して刻一刻と変化しています.その交換量の変化を微気象学的な観測手法を用いて野外で連続的に測定することで,物質循環の解明を目指しています.これまで,日本,アマゾン,アラスカの森林で観測研究を行ってきました.

榊原 厚一

水は絶えず地球上を循環しており,地球システムの一部を担っています.その中で,目に見えないところを流動している"地下水"の循環に特に興味を持っています.
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