トピックス

Global

トピックス

第36回医学部国際交流セミナー:形成再建外科学教室との共催で、米国オハイオ州立大学の小花 彩人先生の講演会を開催しました

 2025年8月29日、第36回医学部国際交流セミナーとして、信州大学医学部の卒業生でオハイオ州立大学の移植外科医 小花 彩人先生(信59)の講演を開催しました。小花先生は 2013年に信州大学医学部を卒業後、横須賀海軍病院での研修を経て、現在は肝移植・腎移植・膵腎移植を年間200例以上執刀しておられます。形成再建外科学教室の杠俊介教授とのご縁から、形成再建外科学教室の共催で本セミナーが実現しました。
 小花先生は、医学部卒業後のキャリア、現在の米国での移植医療について、若い皆さんに熱くお話ししてくださいました。講演会には約40名の医学生・大学院生、教職員、医師の皆様が参加し、セミナー後の懇親会も大いに盛り上がりました。
 今回のセミナーで、海外での医療活動に興味を持つ学生は大いに勇気付けられたと思います。小花先生のように、信州大学から世界に羽ばたく医師がさらに増えていくことを期待しています。

医学部 国際交流推進室室長、国際医学研究推進学教授 田中 直樹


【講演】 
アメリカで移植外科医になってみたら:メリットデメリット、全部話します
小花彩人先生
Abdominal Transplant Surgery, Clinical Instructor, Ohio State University

【要旨】
「日本人の外科医は世界的に見ても"手術が上手い"」--それは米国に来てから痛感したことのひとつです。特に日本のがん手術は本当に繊細で、高水準です。ただ、臓器移植に関してはアメリカの"数"が圧倒的。私は日本で10年近く外科医を務めた後、現在は米国オハイオ州の大学病院で移植外科医として勤務しています。肝移植・腎移植・膵腎移植を年間200例以上執刀し、全米のドナー施設に向かう"ジェット出張"も日常です。アメリカの魅力は、手術件数の多さだけではありません。臨床と研究の距離が近く、日々のオペで感じた疑問をそのまま研究テーマにできる環境があることも非常に刺激的です。そして最後に。追試に落ちて総合試験、スパーリングで眼窩底骨折してポリクリ中止、成績が悪すぎて教育センター長に呼び出され、それでも留年だけは避けた"土俵際の魔術師"としての技を、こっそり伝授します。真面目な話はもちろん、ちょっと笑えてちょっと勇気が出る、そんな60分。聞きに来て損はさせません。

 
MENU