ご挨拶

山田 充彦
Mitsuhiko Yamada

信州大学医学部医学科
分子薬理学教室 教授

私は当教室を主宰しております山田充彦と申します。私は1984年に神戸大学医学部医学科を卒業した後,神戸大学医学部内科学第一講座に入局,3年間の臨床研修を積み,循環器内科専門医になることを夢見ておりました。しかし,当時の福崎亘教授のご指導で,内科内の研究グループに所属し,「心室筋細胞のP2Yプリノセプターが駆動する細胞内情報伝達機構」を研究し博士(医学)を取得しました。この過程で,心筋細胞のような興奮性細胞の生理・薬理を修めるためには,電気生理学的研究が不可欠と考え,当時の横山光宏教授のご厚意で米国メイヨークリニックの倉智嘉久先生の研究室にポスドクとして留学させていただきました。そこでは,倉智先生の研究主題である「アセチルコリンによる心房筋のムスカリン性K+チャネルの活性制御機構」の研究を,その後倉智先生が大阪大学医学部第二薬理学教室を主宰されてからは,「細胞内ATPで抑制されるATP感受性K+チャネルの分子生理・薬理」を研究を続けて参りました。そして2004年7月1日に現所属に異動し,それ以来,「筋肉細胞(心筋・血管平滑筋・骨格筋)のCaV1.2 L型Ca2+チャネルの時空間制御機構」の研究を行っています。つまり,私の生涯の研究主題は,「細胞内環境による細胞膜興奮性制御の分子機構を解明し,新しい薬の作用点を見出すこと」です。私は,この古典的ではあるが重要な分野を若手研究者と協力して開拓すること,またそれを通じて,この分野の研究をさらに発展させてくれる若手人材を育成することです。

私たちの分野に興味を持ってくださる方の合流を心待ちにしています。どのような小さなことでも結構ですので,何かお聞きになりたいことがあれば,ご遠慮なく当教室にお問い合わせください。歓迎いたします。

略歴

1984年
神戸大学医学部医学科 卒業
1984年
神戸大学医学部内科学第一講座 入局
1992年
米国メイヨークリニック内科心・血管病部門 リサーチフェロー
1994年
大阪大学医学部第二薬理学講座 助手
1998年
国立循環器病センター研究所心臓生理部神経性調節研究室 室長
2002年
大阪大学大学院医学系研究科情報薬理学講座 助教授
2004年
信州大学医学部分子薬理学講座 教授

研究における信念

薬理学では,病態生理に基づいた新しい薬物療法の開発をめざすことが大切だと思う。

主な研究テーマ

心血管系および骨格筋系のイオンチャネル・トランスポーターの分子生理・薬理学

所属学会

  • 日本薬理学会
  • 日本生理学会
  • 日本循環器学会
  • 日本不整脈心電学会
  • 日本循環薬理学会
  • Biophysical Society
  • American Physiological Society

主な受賞歴

1993年
(財)循環器学研究振興財団内田賞
2005年
第5回医科学応用研究財団助成による日本心電学会論文賞