内分泌グループで診療している疾患は多岐にわたります。成長障害(低身長や体重増加不良)、甲状腺疾患(甲状腺機能低下症、亢進症)、副腎疾患(先天性副腎過形成)、思春期異常(思春期早発症、思春期遅発症)、糖尿病・糖代謝異常、先天性代謝異常、など、長野県全域より新規患者さんをご紹介いただいています。各ホルモンの分泌能や副腎機能・糖代謝の評価のための各種負荷試験、甲状腺機能低下症の原因がホルモン合成のどの部位にあるのかを特定するための病型診断などの検査にも対応しています。
【血液・腫瘍性疾患罹患後の晩期障害のフォローアップ】
血液・腫瘍性疾患に対して化学療法や骨髄移植などの治療を受けた患者さんは、治療ののちに内分泌学的な変化を生じることがあります。小児期に治療を受け、その後背が伸びない・思春期がこない、などの内分泌学的な変化にお困りの患者さんを適切にサポートできるようにフォローアップし治療することが必要です。成長・甲状腺機能・性腺機能・耐糖能などを定期的に評価し、必要な時期に必要なホルモン補充が開始できるように支援しております。血液・腫瘍グループとも連携し、内分泌学的な移植関連合併症を軽減するための臨床研究も進めています。
【プラダーウィリー症候群のお子様のフォローアップ】
プラダーウィリー症候群(PWS)と診断されたお子様を長期支援するためのPWSプロジェクトが2011年に発足しました。私たち内分泌グループのみならず、当院小児神経グループ・遺伝子診療部・耳鼻咽喉科・整形外科・子どものこころ診療部・歯科口腔外科・リハビリテーション部・臨床栄養部など様々な分野のスペシャリストが地元の主治医やリハビリスタッフとともにお子様の成長・生活全般をサポートする試みを行っています。各分野の担当者同士が数か月に1度集まりPWSカンファレンスを開催しています。個々のお子様のサポート状況を報告しあい、情報を共有しながらよりよい医療につなげています。内分泌グループとしては、PWSのお子様に対する成長ホルモン(GH)治療の早期導入を中心に支援しています。GH治療中に扁桃肥大が増悪して睡眠時無呼吸などの増悪症状が出ないよう、安全にGH治療が行われるよう、睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)入院なども積極的に導入しています。家族会も定期的に開催されています。
【糖尿病サマーキャンプ】
小児1型糖尿病で日々治療をしている小・中学生を対象に、信州ぶらんこの会主催の糖尿病サマーキャンプが毎年行われています。自身の疾患について学習したり、日ごろ行っているインスリン治療について再確認したり、自己注射の技術を身に着けたり、と各々が目標をもって取り組んでいます。治療をともに頑張る仲間との交流の場ともなっています。内分泌グループ医師・看護師・医学生・看護学生・栄養士などの様々な職種が連携し、お子様が安全に楽しくキャンプができるように支援しています。
柴崎 拓実
市川 加波
<協力スタッフ>
水野 史
松浦 宏樹
原 洋祐
中村 千鶴子
師田 悠