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今日のできごと 令和2年7月21日 「エンヤコラの声を響かせて」

「エンヤコラの声を響かせて」

令和2年7月21日

 本校の6年生は毎年、谷浜の海に2泊3日し、ひたすら遠泳を続け、最後には「25分間泳」に挑戦する「谷浜鍛錬会」を行っています。今年は、新型コロナウイルスの影響で、この谷浜鍛錬会を中止せざるを得ませんでした。海の深さ、広さ、波の高さ、水の冷たさ、しょっぱさ、クラゲの存在。本当は逃げ出したい「挑戦」です。それでも、逃げられない。じっと、水の中で、みんなと一緒に、ひとりになっている中で、自分自身に挑み続ける時間でした。今年の6年生は、この「鍛錬会」に挑んでいけない事実を、じっと抱えていました。
 6月、思いがけず、水泳学習が実施できる見通しが立ちました。その時、子ども達にも、私たち教師にも立ち上がった問いは、「谷浜には行けない中で、泳ぎ込みはするのか」ということでした。しかし、水泳学習の最初の時間、見学の子の一人がだまってタイマーを用意し始めました。そのタイマーを見た子ども達もまた、じっとプールを見つめていました。谷浜には行けないけど、今年の「泳ぎ込み」が始まりました。
 「エーンヤコーラ」のリズムに合わせて、息継ぎをします。わたしだけのタイミング、わたしだけの速さではなく、みんなと一つになっていく「わたしの泳ぎ」。H君は最後尾のK君のスピードを感じながらゆっくりゆっくり泳ごうとします。I君は何度もふり返りながら友と一つになっていることを確かめながら泳いでいきます。友を想いながら泳いでいくからこそ、エンヤコラのかけ声に、パッとそろって頭が出てくる。水面に出てくる子ども達の顔は、どの子も必死です。胸が震える瞬間です。
 来週、それぞれの学級で最後の泳ぎ込みをします。もう数えるほどしか出来ない水泳の時間ですが、子ども達はそれぞれに課題を持ちながら、懸命に自分自身に挑んでいます。