プログラム概要

信州大学は「イノベーション創発人材育成センター」を設置し、高度な研究開発能力に加えて成果を実用化に繋げるためのビジネスマインドを有する幅広い視野を持った博士を養成いたします。
養成の対象は博士課程学生及びポスドク(博士学位取得後、概ね5年以内の者)とし、信州大学のみならず、県内の連携大学や近隣他大学・繊維学系大学などを対象に公募を行います。 養成プログラムとしては、イノベーション基礎講義、フォーラム、企業等への3ヶ月以上の長期インターンシップを実施いたします。
地方拠点大学として、中堅・中小企業を含む地域企業との連携を重視するとともに、対象人数に応じた合理的な方法を志向することとし、同規模大学が同様のシステムを導入する上でのモデルとなることを目指してまいります。

ごあいさつ

グローバル企業で博士号取得者の活躍の場が広がっています。

グローバル化が進んでいる今日、博士号取得者の活躍の場が広がっています。欧米では、企業において博士号取得者が広く活躍しており、博士号を所持していることで相手企業等から信用され、商談においても有利に働きます。これまで日本では、アカデミアに就職したい博士課程学生・ポスドクが多かったことと、企業が博士課程修了生に対して良いイメージを抱いていなかったことから、企業での活躍の場が多くはありませんでした。そのことが博士課程へ進学する学生数にも少なからず影響していました。
信州大学大学院総合工学系研究科イノベーション創発人材育成センターでは、高度な専門知識と技術を有しながらも、自ら未来技術を切り開くことができ、多様な対応ができる人材の育成を目指しています。博士課程での専門分野に閉じこもることなく、広い視野を持ち、異分野にも積極的に展開する能力を有する博士号取得者の育成を行ってまいります。

プログラム目的

優秀な学生の多数が博士課程を志向できる土壌の形成を目指します。

  1. 産業界での活躍が可能な高度人材の育成

    博士号取得者のキャリアパス多様化の実現(企業でも活躍する人材の輩出)

  2. 企業と共に博士を育てるシステム

    大学人以外の教育参加による大学教育の活性化・社会化

  3. 教育システムとしての定着化

    「就職の心配のない博士課程」の定着化

優秀な学生の多数が博士課程を志向できる土壌を形成

運営体制

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養成対象者

  • 博士課程学生
  • 博士研究員(ポスドク)(採用時点において博士の学位取得後概ね5年以内)

期待される効果

博士課程をとりまく悪循環を好循環に

現在、企業の博士課程人材の採用要望はあまり積極的とはいえません。これは、実践的な教育カリキュラムが整備されていないなど、企業にとっての博士人材の付加価値が不明確であることが原因として考えられています。
こういった現状により、博士課程への進学に対して消極的になる学生が増え、高い付加価値を持つ博士人材が数多く育成されないという悪循環を生み出しています。 現在、企業のグローバル化が進むなかで高度な知識を持った博士人材がますます必要になる時代です。
幅広い知見や発想力・解決力を養成する実践的プログラム、産学連携の機会の提供など、企業側に求められる人材育成の土壌づくりを行うことで、企業の博士人材の採用機会を高め、多くの優秀な人材が就職を心配することなく博士課程に進学し、高い研究成果を出していけるような好循環を生み出していく必要があります。

博士課程をとりまく悪循環を好循環に

実績

凡例

実績

※「養成者」はこのプログラムに参加している博士課程学生・ポスドクの人数です。
「輩出者」はこのプロジェクトを通じて企業に就職した養成者の人数です。

※数値は全て累計です。

詳細な実績を見る

採用企業

・オリオン機械株式会社 ・株式会社東芝
・亀田製菓株式会社 ・東洋紡株式会社
・シキボウ株式会社 ・トキタ種苗株式会社
・新光電気工業株式会社 ・日本ケミコン株式会社
・セイコーエプソン株式会社 ・三菱樹脂株式会社
・TDK株式会社 五十音順(敬称略)

企業サイドのメリット

  1. 長期インターンシップを通じて、研究者の採用を検討できる。
  2. インターンシップにかかる滞在費を含む旅費等は、本プロジェクトより支給される。
  3. ベンチャー・中小企業などこれまで大学機関と接点のなかった企業でも、強い連携が生まれる。

博士課程学生・ポスドクサイドのメリット

  1. 長期インターンシップを通じて、企業との相性を確かめることができる。
  2. 企業での体験により、幅広い知見・経験・人間力など新たな自分の可能性を発見できる。
  3. 講義指導から就職相談まで、綿密なバックアップが得られる。
  4. 博士課程在籍時からプロジェクトへ参加できるので、卒業後の就職に向けて事前準備ができる。
  5. プロジェクトへの参加期間中給与が支給される。(ポスドクのみ)