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周産期医療:助産師業務について紹介します

 当院は長野県の地域周産期母子医療センターのひとつです。分娩を扱う医療機関の集約化が進む中、当院では分娩制限は行わず、県内の周産期医療において「最後の砦」の機能を担っています。
 今回は、当院の助産師の業務やキャリアアップについて、病棟の中核を担う助産師達にインタビューしましたのでご紹介します。

<助産師外来について>
 2008年から助産師外来を行っています。経験5年目以上の助産師が担当しています。
 助産師外来は1日2枠で約20名、2名の助産師が担当しています。助産師外来以外でも、産科外来の初診問診はすべて助産師が行っています。初診から助産師が妊婦さんの細かい情報を取り、出産育児まで支援する関わりをしていることも当院の大きな特徴です。妊婦健診は出産まで約14回受診がありますが、妊婦さんの個別性に合わせて助産師外来の回数は様々です。
 「助産師は、妊娠から出産、育児までを見据えてかかわっています。助産師外来では、妊婦さんに寄り添いながら直接話せるので、やりがいを感じます。助産師外来をしていると、聴く力、話す力が向上すると感じます。時には妊婦さんにとって家族関係等のプライベートなことを具体的に聞く場面もあります。それは育児を家族で乗り越えるために必要な調整で、それが周産期においては重要な退院支援、家族支援ととらえているからです。そういう意味で妊娠期からのかかわりをとても大切にしたい!と思って、助産師外来をしています。」

<当院に入院される妊婦さんについて>
 当院には、ローリスクからハイリスクの妊娠・出産する妊婦さんが入院されます。
特にハイリスクで管理が必要な妊婦さんは、当院でしかお産のできない方になります。
 「お産は命がけです。でも「ここで産んで良かった!」と言ってもらえるケア・看護を心がけている」と話してくれました。「特にコロナ禍では立ち合い分娩が制限されてしまいましたが、「良いお産が良い育児につながる」と信じ助産師の思いをママたちに届ける!という気持ちで関わっています。「こんなに楽しい、すごく大切にしてもらえるお産を経験できて良かった」というフィードバックもあったんです!」と話してくれました。
 ハイリスクの妊娠は母子ともに、家族も大変な思い抱えることがあり、助産師は思いに寄り添い精神的なケアや意思決定支援ができるように関わっています。
 「妊娠中からの関わりをとても大切にし、バースプランをともに考えお産を迎えることが、その後の育児に通じる、それが未来を作ることにつながると信じてます!」素敵な言葉を助産師から聞くことができました。

<院内助産について>
 2016年から院内助産を開始しています。当院はローリスクからハイリスクの妊娠・出産する妊婦さんが入院されますので、院内助産完遂は結果的には全体の1割です。
 その中で当院の特徴は、年間800件近くの分娩までの管理は助産師が主体に行い、ローリスクからハイリスクすべてについて、新人の時から関われることです。「ハイリスクの管理も助産師主体で行っているのでアセスメント力、医師への連携タイミング等、見通して予測して対応する力がついていく」と話してくれました。
 助産師のアセスメント力が向上するひとつの取り組みが、「お産の振り返り」です。帝王切開も含めて全例のお産の振り返りを、独自の振り返り用紙をもとに行っています。スタッフからは「関わったスタッフ全員で行う機会があることで整理ができる。徴候をどうとらえて何を考えてアセスメントしたか、先輩の考えを聞く機会にもなって良い。」との声があります。お産の安全性、医師との協働などの項目があり、振り返りをすることで、よりアセスメント力がついていくんだと感じました。
 病棟師長は「院内助産の立ち上げの機会から、より自分たちで考え、医師と協働していくことができ、さらに自律した助産師の育成を目指していきたいと考えている。助産師は正常産のスペシャリストだから!」と話してくれました。院内助産の開始後に医師から、助産師の大きな変化を感じていると言われることがあり、とても嬉しかったそうです。ローリスクでもハイリスクでも助産師が主体で関わっているからこそ!医師との協働にも大きな変化がでているのですね。

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