教室概要・沿革

概要

概要

当科は小児科専門診療(血液腫瘍、免疫アレルギー、神経発達、腎、循環器、内分泌代謝、新生児、消化器)に加えて、イラク共和国との国際医療協力を行っています。また、骨髄移植、新生児医療、難治性小児疾患診療において積極的にITを活用し医療レベルの向上に努めています。大学院では、臨床の場での発想を重視し、小児疾患の治療の質や成績の向上、新しい治療法の開発に主眼をおいて研究を行っています。

主な研究テーマ

  • iPS細胞技術を用いた遺伝性治療法の開発
  • 難治性小児がんに対する遺伝子改変T細胞療法の開発
  • 移植後感染症に対する早期診断法の確立及び養子免疫療法の開発
  • コロニーアッセイ法や遺伝子解析技術を用いた、全国の若年性骨髄単球性白血病症例の診断及び病態解析に関する研究
  • 免疫介在性小児神経疾患(急性脳症、多発性硬化症、重症筋無力症など)の病態解明と新規治療方法の開発
  • iPSを用いた小児神経疾患の病態の解明と治療方法の開発
  • 脳機能解析とバイオマーカー解析を用いた発達障害児の病態の解明
  • 先天性特発性間質性肺炎に関連する遺伝子の機能解析
  • 全身型若年性特発性関節炎、自己炎症症候群の診断法の確立と病態に関与する分子の解析
  • TIM-1の気道粘膜における機能と気管支喘息への関与についての研究

スタッフ

教授 中沢 洋三
准教授 小林 法元
講師 中山 佳子、元木 倫子、重村 倫成
助教 日高 義彦、田中 美幸、三代澤 幸秀、赤澤 陽平、平林 耕一

沿革

1945(昭和20)年開設、およそ70年の歴史を数える信州大学医学部小児医学教室のこれまでの足跡の一端をご紹介します。

初代教授は故竹内肇教授でした。終戦直後でもあり、小児医療の開拓には困難を伴ったものと思われます。1949(昭和24)年には、故高津忠夫教授が着任しました。この時代は、当時の小児医学の最大のテーマであった消化不良性中毒症、疫痢、いわゆる自家中毒症などの本態解明と輸液療法の開発に業績をあげました。優れた研究成果に基づき開発された輸液用液の"信大液"は、その後若干の改良を加え、現在も広く使われている電解質輸液剤に発展していったことはよく知られています。

1954(昭和29)年からは山田尚達教授のもと、いまだ猛威をふるっていたポリオの撲滅に取り組み、ウイルス学的研究にいち早く組織培養法を導入し、研究分野ではもちろん臨床面でも大きな功績を残しました。さらに、酸塩基平衡に関しても活発な研究が行われておりました。これらの研究成果をもとに、この頃から英語の論文が急増してきています。

1959(昭和34)年には、吉田久教授が着任しました。そして、ウイルスワクチンの研究が大きく発展するとともに、新たに内分泌学と代謝学の斬新な研究テーマが導入されました。とりわけ下垂体・副腎皮質機能に関する分野において注目すべき新知見を次々と発表し、小児内分泌学の教科書を一新しました。吉田教授を中心に、家庭的な雰囲気のなかで、当教室は研究や診察面で一段と力をつけるとともに、医局対抗野球などでも急速に頭角を現し、常に上位チームの一角を占めるようにもなりました。

1969(昭和44)年からの故赤羽太郎教授の時代には、血液学と臨床免疫学に関する研究、白血病の治療などにおいて顕著な成果をあげ、教室の研究や診察活動は確実に国際レベルにまで高まりました。吉田教授時代に芽生えた野球にみるチームプレイは、この頃には教室対抗や中部日本小児科学会の野球大会でそれぞれ数回も優勝するという快挙として花開いています。

1990(平成2)年からは、小宮山淳教授のもとでさらに教室は発展しました。血液、腫瘍、免疫、アレルギーに加え、腎、新生児、神経、循環器、内分泌などの広い分野にわたって、ハイレベルの研究成果を世界に発信しながら活発な診療活動を行い、それを小児保健や教育面にも生かすようになりました。最新の情報や手法を教室に取り入れるべく、常に数名の教室員が外国に留学するとともに、海外から多くの留学生を迎えるなど国際化が進みました。また、教室が誇る白血病診療の知識や技術の一端をチェルノブイリ被災小児の医療協力に捧げるなど、国際貢献にも大きく寄与しました。2003(平成15)年6月に、小宮山教授は信州大学長に就任されました。先生の卓越したリーダーシップのもとで信州大学は激動期をたくましく乗り越えようとしています。