教員紹介

もりやま しんや

護山 真也

哲学・芸術論 教授

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「般若波羅蜜多論の研究」集中研究会

PPUの世界

3月22日より24日まで、龍谷大学にて桂紹隆先生が代表を務める科研プロジェクト「般若波羅蜜多論の研究」集中研究会が開催されました。  私は、大学の会議等のため、23日~24日の二日間の参加でしたが、インド仏教最後期に唯識思想を探求したラトナーカラシャーンティの原典資料に触れることのできる、刺激的な研究会でした。今回は集中研究会ということで、資料の解読だけでなく、それぞれの日に、個別の研究発表も行われました。  酒井真道氏 研究発表 「刹那滅論証と内遍充」(原稿のみ、いただきました)  松岡寛子氏 研究発表「『タットヴァ・サングラハ』における極微説批判とその影響」  吉田哲氏 研究発表 「アビダルマの二諦論」  ラトナーカラシャーンティのPPUでは、中観派からの自己認識批判――刀は刀自身を切ることができないように、心も心自身を知ることはできない――に対して、心の輝きとの結合という点から、主客関係を抜きにした、特別な関係としての認識の在り方が問題とされていました。ラトナーカラシャーンティの認識論を考える上で、きわめて重要なパッセージをサンスクリット語で確認できたことは、大きな成果でした。

東寺へ

 最終日の午前中に、宿泊先から近い東寺を訪問しました。五重塔で有名な、弘法大師ゆかりのお寺です。  特に印象深かったのは、金堂の中の薬師如来の眼差しです。下から手を合わせて見上げると、その瞳がまるで生きた人間の瞳のようで、不思議な感覚におそわれます。お隣の月光菩薩の瞳はさらにやわらかく、慈愛に満ちており、その場所を立ち去りがたい気持ちになります。  また、今回、特別に公開されている小子房も見学することができました。こちらの方は、ガイドの方が丁寧に説明してくださり、襖絵のすばらしさを鑑賞することができました。  桜は咲きはじめてはいるものの、まだ肌寒く、春の一歩手前といったところでしょうか。今回は、行きの電車の中で偶然、一緒になった渡辺秀夫先生、佐藤全敏先生から、それぞれのご研究のことなども教えていただいたり、研究会以外のところでも得るところの多い二日間でした。

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