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いとう つくす

伊藤 盡

英語学 教授

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ちいさいおうち30周年記念

まつもとの児童書専門店・子ども文化情報センター「ちいさいおうち」が 30周年を迎えました。


文字通り、内外の絵本作家や児童文学者からお祝いのメッセージが山ほど 届けられ、30年間、児童書を文化として広める努力をなさったことの 凄みを感じました。


当日は、まず、安曇野市の「もりのおうち」にて開催されたさくまゆみこ氏の 講演会から始まりました。

この講演会は、もりのおうちで展示されていたファンタジー翻訳小説の 挿絵原画展示会の一環として、「千古の闇クロニクル」シリーズの完結を 祝って催されたものでした。 講演会は、前半に「千古の闇クロニクル」シリーズを翻訳する裏話が語られ 後半は、さくまゆみこさんのもう一つの顔である「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表として、アフリカの現状を訴え、プロジェクトの趣旨に賛同を呼びかける 内容でした。

 

さくまゆみこさんは、『エンザロ村のかまど』(福音館書店、2006年)という本を出されていますが、これは、ケサさんと仰るひとりの日本人女性が始めた 「かまどをつくる」というプロジェクトを描いたものです。 アフリカでは、水を飲むには煮沸消毒が必要です。しかし、消毒するまでの熱を 三脚台のような煮炊き台で発生させるためには大量の木材が必要で、森林伐採が 問題になります。けれど、かまどならば、熱効率がよいために、木材も少なく、 効率よく煮炊きができるようになります。「かまどを作る方法を教える」という たったそれだけのことで、多くの子どもたちの命が救われるのです。

 

この『エンザロ村のかまど』の挿絵を描いたのは沢田としきさんという画家ですが 先日、若くして夭折してしまいました。 今回の講演会では、その沢田さんの遺志を継ぐ方々の音楽の演奏がありました。 沢田としきさんは、ご自分で絵と文を書いた『アフリカの音』(講談社、1996年)という絵本を上梓しています。 音楽家の方々は、その「読み聞かせ」をするときに、まさに「アフリカの音」を その場で演奏して聞かせてくれるのです。こんな体験をした子どもたちは 一生、この絵本と音楽の融合を忘れることはないでしょう。 講演会の後は、安曇野のレストランを借りきって、30周年の記念パーティがありました。 ちいさなおうちは地元の人々や書店関係者に愛されていることを強く感じた暖かいパーティでした。

 

もちろん、現在の出版会の置かれている厳しさは、並々ならぬものがあります。

ですから、こうしたよい本屋さんが今後も続くように、学生諸君には、行くべき本屋をきちんと探してほしいな、と思っています。

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