教員紹介

いとう つくす

伊藤 尽

英米言語文化 教授

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北欧神話 学会 研究

日本アイスランド学会

今週末は、東京の品川にある在日アイスランド大使館内において、
日本アイスランド学会の総会があります。

日本での、中世北欧に関する文献は、そのほとんどが中世アイスランド語で書かれた文献にのみ残されています。

そこで、日本人の多くが、かつてはアイスランド語を学ぶことで、中世北欧の伝承や神話などに行き着くことができたことから、中世北欧に関する研究者の集まりを、当時の先輩研究者は「日本アイスランド研究会」と命名しました。やがてそれが「学会」へと発展していったのです。

毎年行われるこの総会のあとには、公開講演会と言われる研究発表会があります。

今年度は、北海道大学の清水誠先生がラスムス・ラスクと比較言語学の黎明期についてお話下さる他、アイスランド大学のアールニ・マグヌースソン写本研究所のウルヴァル・ブラガソン(Úlfar Bragason)博士が、ストゥルルンガ・サガ(Sturlunga sögur;アイスランドのサガ文学の中でも、後期の作品で、同時代のサガと呼ばれるジャンルに属し、書かれている内容と書かれた時代がほとんど同じという、歴史的な価値も高い、けれど読みづらいとされるサガ)について講演なさいます。

司会を仰せつかったので、その準備のプレッシャーがあります。
清水先生とは日本アイスランド学会に入ってからは初めてお目にかかると思います。
西フリジア語の御研究をこれまで幾つも御発表なさり、私の友人の指導教授でもありました。

ウルヴァルとは、僕が初めてアイスランドに留学をした頃からのおつきあいですが、逢うのは、前回の国際サガ学会以来三年ぶりです。
お会いした頃から、当時のアイスランド人にしては珍しいほど外国人との付き合い方が上手でたくさんお世話になりました。
そういえば、一度だけ、新宿で一緒にランチを食べたことがありました。何を話したのかまったく覚えていませんが・・・。

前回の国際サガ学会で、そのウルヴァルからマリアンヌ・カリンケ教授を紹介して下さったことがありました。

あの有名な教授への紹介があまりに唐突だったので、思わず座っていた席を立って、大声で「えっ! あのカリンケ教授ですか!?」と叫んでしまった恥ずかしい思い出もあります。

来週の土曜日には、やはり東京の溜池山王でも、ウルヴァルの講演があり、そちらは「スカルド詩」(北欧に口伝で伝わった九世紀以降の詩人による詩。複雑な韻律と統語構造、そして豊かな詩的暗喩表現であるケニングと呼ばれる技法を用いて中世北欧語で歌われた。北欧神話に関する表現が多く含まれることで有名)に関するお話です。
ところが来週のその時間帯は日本英文学会と重なっているため、ウルヴァルの講演を聞きに行けないのが残念無念です。
大学院生で、誰か聞きに行きたい人はいないかな?

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